2003-11-01から1ヶ月間の記事一覧

最近は論じ方のほうに関心が向いている。毎日、日記を書き続けているが、満足する文章が書けない。いくつか文章作法の本を読んで、方法に関する知識は増えたが、それが実際に応用できていないというか…。 そもそも、知識があってもそれを実践に活かせないの…

宮台真司『これが答えだ!』

◆宮台真司『これが答えだ!』朝日文庫 タイトルがいかがわしいので、今まで読まなかったけれど、読んでみたらそこそこ面白かった。社会を見る一つの方法として参考になる。しかし、この本自体は、それほど昔に出た本ではないのに、もう少し古い感じがするの…

「H2Aの打ち上げ失敗、機体を爆破」:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031129-00000007-yom-soci どうして日本のロケットは毎回失敗ばかりしているのだろう?技術力が無いから?日本は、こういうのを作るのが得意そうなのに。技術国日本はもはや神話…

◆小倉紀蔵『韓国語はじめの一歩』ちくま新書 ◆レッシング『ラオコオン』岩波文庫 ◆遠藤徹『姉飼』角川書店最近、ちょっと韓国語でも勉強しようかなと思っている。簡単な本から読んで少しずつ言葉を覚えよう。 文学と絵画の比較論の古典と思われる『ラオコオ…

人をバカにしたような対応に遭い、まったく呆れている。というのも、学内のことだがあさって締め切りと言われていた論文がある。今週にようやく書き上げて、直しをしていたら、締め切りが延びたという連絡。10日ほど延びたことは、特に問題はないが、分量が…

◆四方田犬彦『ソウルの風景』岩波新書 ◆『岩波講座 文学4 詩歌の饗宴』岩波書店 けっこう楽しみにしていた巻だ。たびたび日記にも愚痴を言っているけれど、詩歌を読むのがすごく苦手だ。だけど、詩歌を読むのは嫌いではない。逆に詩歌を味わいたいと思ってい…

「渋谷望先生講演会」http://www.books-sanseido.co.jp/sibuya_kouen/sibuya_.html?MBR_NO=&SESSION= 最近『魂の労働』という論文集が出て、この本も買いたいと思っている。この講演も面白そうだなあと。 昔から、働くことを拒否してきたので、ちょっとばか…

◆宮台真司『これが答えだ!』朝日文庫 まだ読んでいなかった。

「女学生に「メスブタ」と暴言、宇都宮大教授を懲戒処分」 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20031126i213.htm暴言や暴力は問題外の行為で教授への処分は当然だと思う。しかし、実際大学の教室へ行けば分かるのだけれど、今の学生の授業態度はかなり…

◆ジル・ドゥルーズ『プルーストとシーニュ〔増補版〕』法政大学出版局 しばらく本屋で見かけないなあと思っていたら、最近復刊した。品切れ状態だったのだ。昔、もしかすると買ったのかもしれないと思いながらも、やっぱり重要な本だから購入。

昨日の日記でとりあげた『大人のための文章法』にしろ、戸田山和久『論文の教室』にしろ、論文には型がある、はじめはそれを徹底して模倣せよ、という主張がある。たしかに、これは一理あると思う。私自身、最近は文章の型を身につけようと意識している。良…

◆中上健次『火の文学』角川文庫 古本屋で購入。「火まつり」のシナリオが収録されている。このタイトルを見ていたら、中上における「火」のテーマというのが気になる。バシュラールに『火の精神分析』とかあるけれど、参考になるのだろうか…。

和田秀樹『大人のための文章法』

◆和田秀樹『大人のための文章法』角川書店 まず、序章で「逃げているかぎり文章は書けない」という。この本でその通りだと思った箇所だ。文章を書くことの恐怖が、文章を書けない原因だと。他人と会話が出来る人ならば、文章を書くことができるという。書け…

◆『ラスト サムライ』監督:エドワード・ズウィック、出演:トム・クルーズ、2003年 先々行で見る。微妙な映画。例の如く、この手の映画の批評だと文化の誤解を指摘されるのが予想される。確かにツッコミどころは多い。ステレオタイプな日本人表象だ、オリエ…

◆『ダカーポ』527号 ◆『現代思想 11月号臨時増刊 総特集サイード』 『ダカーポ』は、「書評で鍛える文章力と読書力」という特集が読みたかったので。 もう一つ、死刑囚の特集があってこちらのほうが興味を引く内容だった。こういう話になると、たいてい次の…

川端康成『眠れる美女』

◆川端康成『眠れる美女』新潮文庫 難しい。川端の小説は、なぜ難しいのか。読んでなんとなく分かるような文章で、でも読み終わった時にこの物語は何だったのかはっきり分からない。何かもやもやとしたヴェールに包まれているのが、川端の小説だと思う。 新潮…

国際化、グローバル化をテーマにしたシンポジウムが、一種のブームで、ここ数年どこかで毎年行われている。日本文学研究でも、最近では研究の国際化を主張する人もいて、国内だけでなく海外にも研究を発信すべきだと言われる。もちろん、海外の研究者と交流…

◆泉鏡花『婦系図』新潮文庫 講義で、昭和17年に作られた映画『婦系図』(マキノ正博監督)を見た。この映画が面白い。新派の舞台になるほどの物語なので、悲恋の物語だけど、ラストシーンがすごい。ある意味ホラー映画になってしまって笑ってしまう。主人公…

◆ポーリン・ケイル『明かりが消えて映画がはじまる ポーリン・ケイル映画評論集』(〔監修〕山田宏一〔訳〕畑中佳樹/柴田元幸/斉藤英治/武藤康史)草思社 辛辣な映画批評らしい。

駒込武『植民地帝国日本の文化統合』

◆駒込武『植民地帝国日本の文化統合』岩波書店 歴史は詳しくないので、かなり読むのに苦労した。日本が、台湾や朝鮮、満州においてどのような政策をしてきたのか、ということを丹念に資料を読み解く。なんとなく分かるのは、植民地を「同化」するとしながら…

◆四方田犬彦『アジア映画の大衆的想像力』青土社

野崎歓『谷崎潤一郎と異国の言語』

◆野崎歓『谷崎潤一郎と異国の言語』人文書院 『谷崎潤一郎と異国の言語』もある意味、言葉にこだわった分析をする。谷崎の文学を言語の翻訳という視点から読む、と言えばよいだろうか。異国の言語とは、外国語のことだし、谷崎にとっては関西の言葉もまた「…

定方晟『空と無我――仏教の言語観』

◆定方晟『空と無我――仏教の言語観』講談社現代新書 『空と無我』は、はじめのうちはその書き方に少々苛立ちを覚えるが、読み慣れると面白い本だ。しかし、けっしてやさしい本とは言えない。かなり専門的な書き方だと感じた。(私自身、仏教についてほとんど…

安部公房『砂の女』

◆安部公房『砂の女』新潮文庫 久しぶりに読んでみた。しかし、この小説ほど感覚に訴えるものはないと思う。皮膚に砂がまとわりつく感覚。粘着感、腐ってぶよぶよとなる家。汗、体の匂い。読んでいるこちらも何か不快感を感じてしまう。たとえば、夏目漱石の…

◆ウラジミール・ナボコフ『青白い炎』ちくま文庫 しばらく品切れ状態だったが、この度復刊する。以前、『紙葉の家』との関連を教えて頂いたので、とても気になっていた本だけに購入できたことはうれしい。

特集=マンガ

『ユリイカ』特集=マンガはここにある・作家ファイル45、2003年11月(35巻15号) 鈴木謙介「どうして恋をするだけでは幸せになれないのか 矢沢あいにおけるイノセント」 夏目房之介「マンガは誰のものか?」 『ユリイカ』でのマンガ特集。面白そうなので、い…

越境の快楽から意味の消滅へ

松浦寿輝「越境の快楽から意味の消滅へ」(書評:多和田葉子『エクソフォニー』、『新潮』2003年12月号pp.304-305) いきなり冒頭部分に気が引かれる。こんなふうに書評を書き始めている。 「詩人とは、国語という樹木の枝の上で歌う小鳥なのだ」とかつてコ…

文学の闇/近代の「沈黙」

◆『<文学年報1>文学の闇/近代の「沈黙」』世織書房 新しく文学研究の論文集が発刊された。何気に手にって、パラパラとページをめくっていたら、知り合いの名前が……。急いで購入した。こういうのを見るとうらやましいと思うし、一体自分は何をやってるんだ…

アントニオ・ネグリ(杉村昌昭 訳)『ネグリ 生政治的自伝』

◆アントニオ・ネグリ(杉村昌昭 訳)『ネグリ 生政治的自伝――帰還』作品社 アルファベット順にキーワードを並べて、そのキーワードから思いつく事をネグリが語っていくという試み。ネグリがどんな生き方をしてきたのか、何を考えているのかよく分かって面白…

ドナルド・D・パルマー『サルトル』

◆ドナルド・D・パルマー『サルトル』ちくま学芸文庫 まんがでわかる「サルトル」という本。サルトルの思想活動をさらりと追った本で、深い分析などはない。なので、物足りなさは残るが、これはあくまでサルトルを読むための導入本だと思えば、けっこう面白い…