2017-01-01から1年間の記事一覧

町口哲生『教養としての10年代アニメ』

◆町口哲生『教養としての10年代アニメ』ポプラ新書、2017年2月 とても退屈なアニメ評論。 アニメを「インフォテインメント(情報娯楽)」として捉え、教養(学問)で分析すると述べているが、アニメ作品そのものの理解にはほど遠い試み。学問的に見せたいと…

千野帽子『人はなぜ物語を求めるのか』

◆千野帽子『人はなぜ物語を求めるのか』筑摩書房、2017年4月 物語論をベースとした一種の自己啓発書のような内容。物語論を、人間とは何なのかといった問題で利用するというのはなかなか新鮮な内容であった。物語論なんて、文学研究でしか使えないと思ってい…

北田暁大、栗原裕一郎、後藤和智『現代ニッポン論壇事情 社会批評の30年史』

◆北田暁大、栗原裕一郎、後藤和智『現代ニッポン論壇事情 社会批評の30年史』イースト新書、2017年6月 期待せずに読み始めたが、なかなか面白い内容の本だった。90年代後半から2000年代の論壇事情が理解できた。 批評にめっきり興味や関心を失っていたが、こ…

千葉雅也『勉強の哲学』

◆千葉雅也『勉強の哲学 来たるべきバカのために』文藝春秋、2017年4月 『勉強の哲学』は腑に落ちるところが多い。勉強について考えたことがある人は、「そう、そう」とうなずくことが書いてある。 勉強は確かに際限なく進めることができてしまう。でも、それ…