駒込武『植民地帝国日本の文化統合』

駒込武『植民地帝国日本の文化統合』岩波書店
歴史は詳しくないので、かなり読むのに苦労した。日本が、台湾や朝鮮、満州においてどのような政策をしてきたのか、ということを丹念に資料を読み解く。なんとなく分かるのは、植民地を「同化」するとしながらも、同時に差別も行っているというズレというのか矛盾が政策や教育に生じていたこと。常に矛盾した「文化統合」を行うので、つじつま合わせに苦労している日本側の姿が現れてくる。ナショナリズムの奇妙さと言ったらよいのだろうか。読んでて不思議な気持ちになる。