2003-11-01から1ヶ月間の記事一覧

◆今村仁司『アルチュセール』清水書院

ノルベルト・ボルツ『世界コミュニケーション』

◆ノルベルト・ボルツ(村上淳一訳)『世界コミュニケーション』東京大学出版会 キーワードとしては、たとえば「不確定性」とか「複雑性」などがあげられる。となれば、やはりルーマンから大きな影響を受けた一冊。複雑性が増し、不確定な世界では、人々はと…

ドナルド・キーン『日本人の西洋発見』

◆ドナルド・キーン『日本人の西洋発見』中央公論社 18世紀の日本を取り上げて、いかに「西洋」が意識されていったかを論じる。中心となるのは、本多利明。他に司馬江漢とか間宮林蔵とか、たくさんの人物が論じられていて面白い。「近代」というものが、徐々…

アイデンティティに関して

アイデンティティに関して、次のような言葉は示唆的だと思う。 《「現実の日本に戻ったら、想像の国が永久にこわれてホームレスになってしまうのではないかと、強い恐怖を持ったものです。作家になったのも、この貴重な国をとどめておくためだった、といって…

デュラスと映画

◆石田英敬『記号の知/メディアの知』東京大学出版会 ◆マルグリット・デュラス『デュラス、映画を語る』みすず書房 ◆小林秀雄『小林秀雄全作品14』新潮社 ◆三島由紀夫『三島由紀夫 十代書簡集』新潮文庫 ◆アンドレ・バザン『残酷の映画の源流』新樹社 デュラ…

学会。今回も聞くだけなので、気楽に行く。関西地区の大会なので、それほど規模は大きくないものだけど、それにしても参加者の数が少なくて細々とした学会になってしまった。開催の場所も少なからず影響があったのかもしれない。内容的にもイマイチといった…

今週は本を読む時間がなかったので、なかなか読書日記が書けない。こういう時、「読書日記」だと書くことが無くなってしまうので困る。とはいうものの、時事的なことについて言及するのはためらいがある。新しく日記を始めるにあたって、自分の中で制限を設…

朝一の講義に出て、夕方から指導教授の講演の手伝い。ひどく疲れた。明日も講義があるし、土曜日は学会を聞きに行くので、今週は時間がない。 昨日は、「マトリックス」が世界同時公開だった。忘れていた。近所の映画館ではオールナイト上映していて、朝一の…

ポストモダン的な言い方で、よく用いられるのが「〜の発見」というのがある。この言い方を、生真面目に受け取る人もいるようで、必ず批判の一つに、「いや、〜は依然から存在していた云々」と言って歴史的遡行をし始めてしまう。 歴史を遡って起源を見つけ出…

◆監督:ジャン=リュック・ゴダール『気狂いピエロ』1965年 映画館で見られるというので、朝10時開始にもかかわらず早起きして鑑賞。難しい。結局、何がなにやら理解できなかった。昔ビデオでみた時も理解出来なかったのだが…。 それにしても、今日この映画…

◆ナボコフ『セバスチャン・ナイトの真実』講談社文芸文庫 ◆平川祐弘『小泉八雲 西洋脱出の夢』講談社学術文庫 ◆平川祐弘『進歩がまだ希望であった頃』講談社学術文庫 ナボコフが気になって、『セバスチャン・ナイトの真実』を購入。ナボコフなら何でも良かっ…

成田龍一『司馬遼太郎の幕末・明治』

◆成田龍一『司馬遼太郎の幕末・明治』朝日新聞社 ここで分析の中心を成しているのは、徹底して物語/歴史の語り方である。取り上げられるのは、司馬遼太郎の代表作『竜馬がゆく』と『坂の上の雲』の2冊。物語の内容つまり「何を」語っているのか、という分析…

◆平野謙『島崎藤村』岩波現代文庫

『島崎藤村』のキーワードは、きっと「宿命」だろう。あるいは「運命」といったところか。藤村が作品を書く「宿命」を丹念に追跡すること。それが本書の目的だろう。 ここでもう一度藤村の文学を要約すれば、『春』から『家』を経て『新生』にいたる道は自己…

ヘルダーリン(川村二郎 訳)『ヘルダーリン詩集』

◆ヘルダーリン(川村二郎 訳)『ヘルダーリン詩集』岩波文庫 詩はやっぱり難しい。ヘルダーリンがどんな詩を書くのか、試しに読んでみたのだけれど、理解できない。

◆黒澤明監督『虎の尾を踏む男たち』1952年東宝 ◆牧野省三監督『豪傑児雷也』1921年日活 10月25日から11月3日まで、「宝塚映画祭」が行われている。今年で第4回目だそうだ。今年は映画と歌舞伎が関連する映画が上映されている。四方田氏あたりがしばしば書い…