2004-07-01から1ヶ月間の記事一覧
『晩春』の上映終了後、引き続いて蓮實重彦のトークショーが始まる。きょうはこれがメインの目的だったのだけど。やっぱり、聞いて良かった。めちゃくちゃ面白い内容だった。 トークの冒頭、ゴダールを引用して映画は滅ぼされていく、なんて言う。だけど、小…
◆『晩春』監督:小津安二郎/1949年/松竹大船/白黒/サウンド版/108分 見終わった瞬間、おもわず拍手しそうになるぐらいしびれる映画。父の笠智衆と娘の原節子のコンビは良い。小津映画なら、この二人だなあと思う。この父娘の関係は、一歩間違うと近親相…
雑誌『国文學』で樋口一葉が特集されている。すが秀実氏、伊藤氏貴氏の論考をコピーして読む。 すが氏は安直なフェミニズム批評を攻撃。つまり、今のフェミニズムは「「現実」に対する介入的な批判力」が失われているんじゃないの、「政治性」を回避しようと…
気がつくと、もう7月も終ってしまう。で、とうとう待ちに待った小津安二郎特集が始まるのだ。明日は、『晩春』を見に行く予定。実は、その後に行われる蓮實重彦のトークショーが目当てなのだけど。すごく楽しみ。早めに行って整理券を確保しなければ、と今か…
柴崎友香のインタビュー記事 気鋭新鋭 柴崎 友香(しばさき ともか)さん 30(作家)
◆阿部和重『ニッポニアニッポン』新潮文庫 文庫になったので、研究用に一冊購入。以前、この小説の書評を書いたけど、また読み直してみたら違う読みができるかも。
ジョイス『ユリシーズ』『フィネガンズ・ウェイク』 メルヴィル『白鯨』 馬琴『南総里見八犬伝』
毎日とんでもなく暑い。頭がボーッとする。不快指数は急上昇!いったいこんな時はどうすればいいのか? 不快な時は、あえて不快な気持ちになるようなことをすると良い。子どもの頃、暑いときは熱いお茶を飲むのだよ、とおじいさんのような先生から聞いたこと…
◆北田暁大『広告の誕生』岩波書店 これまで北田氏の論文をいくつか読んでいて、氏の用いる言葉で常々気になっていたものがある。それは《香具師的なるもの》という言葉だ。 もちろん「香具師」が分からない、ということではなくて、《香具師的なるもの》と言…
『ニッポニアニッポン』 『空腹の技法』
今週は、なんだか怒りモードだ。おとといから怒ることがたくさんあって疲れる。 きょうは朝から集中講義に出た。哲学の講義。哲学の講義など、これまで出たことないし、なにせ素人なので、おとなしく聞いていたのだけど、出席している学生・院生のレベルがあ…
◆飯田隆『クリプキ』日本放送出版協会 ◆川村邦光『性家族の誕生』ちくま学芸文庫 『クリプキ』、面白い。面白いけど、その面白さをどうやって説明したらよいのやら。とにかく、論じられている問題そのものが面白いのだけど。そもそも、どんな問題なのか、と…
何も私がこんなに熱く研究について考える必要もないなあ。なんだか、こんなに熱く論じてしまった自分がバカみたいに思えてきた。
午前中、昨日に引き続き行われた研究発表会に行く。発表を聞きながら、昨日の日記に書いたことなどを考える。正直、今年の発表会については不満が多い。今年のような調子なら、いっそのこともう廃止してしまえ、と後輩に毒づいてしまう。やっても時間の無駄…
◆ホッブス『リヴァイアサン』(1)〜(4)岩波文庫 今週から、生協で文庫・新書を3冊以上まとめて買うと15パーセント引きになる。というわけで、さっそく前から欲しかった『リヴァイアサン』を購入。全部で4冊。まとめ買いをするのに相応しい本だ。 この本は…
今日、明日は所属講座内の院生発表会。半日かけて11人の発表を聞く。いろんな意味で勉強になった。自分が研究発表するときに役立つように、いくつか気がついたことをメモしておく。 先ず一つ思ったのは、発表の際には聞き手を意識することが大切だということ…
樋口一葉がひょっとしてブーム? 佐伯順子編『一葉語録』岩波現代文庫 田中優子『樋口一葉「いやだ!」と云ふ』集英社新書 いつか買いたい。
阪大と大阪外大が統合検討 以前から噂は聞いていたが、しばらく何の動きもなかったので、立ち消えになったのかなあと思っていたら、ようやく統合へ向けて本格的に動き出すのか。 それにしても、今後、とある研究科の教員なんぞは大変になるのだろうなあ。も…
『キング・アーサー』なんていう映画の公開が始まる。文学と映画の関係を研究する者としては、一応チェックしたいと思う。 イギリス文学に詳しくないので、アーサー王伝説はよく知らないけど、アーサー王といったら、やはり私などは漱石が頭に思い浮かぶ。漱…
◆飯田隆『クリプキ』日本放送出版協会 この本は、「シリーズ・哲学のエッセンス」の一冊だけど、このシリーズで最大の目玉だなあと思う。いつ出るか、ずっと楽しみにしていた本。じっくり楽しもう。
◆ハワード・S・ベッカー、パメラ・リチャーズ『論文の技法』講談社学術文庫 かなり私のツボにはまった本。論文の書き方を述べつつ、同時に学問の世界で「論文を書くこと」の意味を社会学的に考察していて、どちらにも興味がある私としてはたいへん有益な本…
『白い巨塔』について、昨日の日記に書き忘れたこと。あの映画は、もしかすると大阪対東京という対立も一つのモチーフだったのかと思う。財前の義理の父の描き方は、大阪人のステレオタイプだろう。カネで権力を手に入れようとするこの父。「なんぼや、いく…
◆前田愛『近代日本の文学空間』平凡社ライブラリー ◆小林秀雄『小林秀雄全作品22』新潮社 最近、もう一度文学研究の方法を学び直そうと思っている。そこで、やはり近代文学研究を大きく転換させた前田愛の著作は読み直すべきなのだろう。修士論文を書いてい…
◆南陀楼綾繁『ナンダロウアヤシゲな日々』無明舎出版 とにかく「本」が好きだ、という人には楽しめる。ミニコミの世界を知ったり、コレクターの世界を知ったり。趣味の世界ってすばらしい。自分の知りたいことを調べ、欲しいものを集め、書きたいことを書く…
かつて、表象文化といったものが流行した時、「出来事」という言葉がキーワードになっていた。たとえば、小森陽一『出来事としての読むこと』とか小林康夫『出来事としての文学』などがある。この2冊の本は、私がちょうど文学研究に興味を持ち始めた頃に読ん…
◆『白い巨塔』監督:山本薩夫/1966年/大映/150分 主演が田宮二郎。はじめて田宮二郎を見たのだけど、目付きが鋭くて、かなりの二枚目。眉間にしわを寄せると、まさしく「苦悩」しているという雰囲気が出ていた。 私は、昔のものにしろ最近のもテレビ版の…
休みを取ったおかげで、頭の中はすっきりしてちょっと気持ちに余裕がでた。周りで何が起ころうとも、我が道を行くぐらいの余裕を持つべきなのだろう。研究者というのは、ある程度図太さが必要なのだ。 などと思うが、やはりあんまり余裕すぎても、ちっとも前…
◆川端康成『雪国』新潮文庫 ◆三島由紀夫『音楽』新潮文庫 『雪国』という作品は、しばしば冒頭部分が取り上げられ論じられることが多いのだけど、映画と文学の関わりを調べる人にとっては、ラストシーンのほうが重要だ。この小説の最後に、映画の上映が繭倉…
じゅげむのほうのサイトが、いまだに繋がらないのですよ。大変ですよね。 せっかく東京の近くにいたのだから、17日のオールナイトに行けば良かったなあと後悔…
◆『スチームボーイ』監督:大友克洋 公開が始まったところで、私は何の情報も持たずに見たのだけど、かなり楽しめるところが多い映画。巨大な城が動く、空中に浮かぶのがミソ。今度の宮崎アニメも城が動くものらしいけど、動かないものを動かす欲望が日本の…