2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

池田晶子『14歳の君へ』

◆池田晶子『14歳の君へ どう考えどう生きるか』毎日新聞社、2006年12月 基本的にネガティヴ思考で、自分自身を悲観的に見る傾向があるので、たとえば「プラス思考で生きよう」とか「自分を信じよう」という言葉に違和感を覚える。 もちろん、マイナス思考よ…

中島らも『ますます明るい悩み相談』

◆中島らも『ますます明るい悩み相談』朝日文芸文庫、1996年8月 ストレス発散になるような本が読みたいと思って日本から持ってきた本だが、やっぱりこれは面白い。どうして、くすっと笑えるような面白い解答ができるのだろうなあ、なんて悩んでしまう。 本書…

江国香織『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』

◆江国香織『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』集英社文庫、2005年2月 今、女性作家の短編小説を探しているので、この短編集を読んでみた。江国作品ははじめて読んでみたが、これは自分とは合わない世界の物語だなと思った。 ほとんどの作品の登場人物…

綿矢りさ『夢を与える』

◆綿矢りさ『夢を与える』河出書房新社、2007年2月 前2作とすっかり雰囲気が変わっていたのに驚いた。いかにも「小説」らしくなっていて、それは作者の技術が良くなったのかもしれないが、逆に言えば「小説」という枠の中にきれいに収まってしまって、『イン…

高橋源一郎『ニッポンの小説』

◆高橋源一郎『ニッポンの小説 百年の孤独』文藝春秋、2007年1月 けっこうボリュームのある本なので、読み終えるのに時間がかかるかなと思ったが、いざ読み始めると面白くて一気に全部読んでしまった。保坂和志にせよ、この高橋源一郎にせよ、最近、小説家に…

左近司祥子『哲学のことば』

◆左近司祥子『哲学のことば』岩波ジュニア新書、2007年2月 全8章で構成されている。取り上げられているテーマは、たとえば人間は何か、愛、友情、生と死、私とは何か、といったもの。そして、哲学者の言葉をいくつか引用しながら、これらのテーマについて論…

パオロ・マッツァリーノ『つっこみ力』

◆パオロ・マッツァリーノ『つっこみ力』ちくま新書、2007年2月 けっこう面白い。批判や否定よりも「つっこみ力」の必要性を説く。 批判や否定の言辞は、相手の間違いを指摘してつぶしていくだけだ。つっこみはそうではない。つまらない「ボケ」も、つっこみ…