2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

中条省平『文章読本 文豪に学ぶテクニック講座』

◆中条省平『文章読本 文豪に学ぶテクニック講座』中公文庫、2003年10月 「文章読本」となっているが、名文の書き方を述べるのではない。日本文学を題材に、さまざまな小説から、どうしてその文章が「名文」なのか詳細に分析した本である。 この分析が見事だ…

仲正昌樹『集中講義! 日本の現代思想 ポストモダンとは何だったのか』

◆仲正昌樹『集中講義! 日本の現代思想 ポストモダンとは何だったのか』日本放送出版協会、2006年11月 非常にわかりやすく整理されていて有益。現代思想の要点と流れを理解できる。 読んでいて思ったのは、全共闘崩れにしてもニュー・アカ崩れでも、当時はま…

中条省平『小説の解剖学』

◆中条省平『小説の解剖学』ちくま文庫、2002年9月 これは小説家を目指す人たちのために、小説のさまざまな技法を講義したものである。 小説がどのように書かれているのか知ることは、小説を読む際にも必要だと思う。だから、本書は小説家志望者のみならず、…

小野田博一『論理力を強くする 考える力を磨くために』

◆小野田博一『論理力を強くする 考える力を磨くために』講談社、2006年4月 論理パズルの問題集。解説が少ないのが惜しい。論理力を強くする―考える力を磨くために (ブルーバックス)作者: 小野田博一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/04/21メディア: 新書…

苅谷剛彦『知的複眼思考法――誰でも持っている創造力のスイッチ』

◆苅谷剛彦『知的複眼思考法――誰でも持っている創造力のスイッチ』講談社、2002年5月 昔読んで非常に印象に残っていた本である。「考える」ということはどういうことなのか、どうすれば上手に物事を考えることができるようになるのか。そうしたことを身につけ…

黒田龍之助『語学はやり直せる!』

◆黒田龍之助『語学はやり直せる!』角川書店、2008年2月 語学には日々悩まされる毎日なので、どうやったら上手に勉強できるのか知りたくて読み始めた。 語学に王道なし、というわけで、本書には魔法のような学習法は書かれていない。要するに、語学は毎日コ…

宇田川博『フランス語ライブ教室』

◆宇田川博『フランス語ライブ教室』駿河台出版社、1996年8月 かなり丁寧に説明がなされている。まったくの初心者にはうれしい内容であろう。しかし、ある程度フランス語を勉強した者にとっては、特に前半部分は説明がくどすぎると感じるかもしれない。したが…

NHK放送文化研究所世論調査部編『日本人の好きなもの データで読む嗜好と価値観』

◆NHK放送文化研究所世論調査部編『日本人の好きなもの データで読む嗜好と価値観』日本放送出版協会、2008年1月 現代の日本人は何が好きなのか。好きなものから日本人の特徴を見ようという面白い試み。食べ物から趣味、好きな色や数字など様々なジャンルの「…

関川夏央『白樺たちの大正』

◆関川夏央『白樺たちの大正』文春文庫、2005年10月 武者小路実篤を中心に、白樺周辺の作家たちの群像を描き、「大正」という時代を浮かび上がらせる。なかなか面白い。 武者小路実篤は、今では、ほとんど読まれていないと思われる。武者小路が大正時代によく…

ロバート・R・H・アンホルト(鈴木炎/イイサン・サンディ・リー訳)『理系のための口頭発表術 聴衆を魅了する20の原則』

◆ロバート・R・H・アンホルト(鈴木炎/イイサン・サンディ・リー訳)『理系のための口頭発表術 聴衆を魅了する20の原則』講談社ブルーバックス、2008年1月 学会などにおける口頭発表で気をつけるべき事柄を取り上げている。非常に面白く読め、かつ内容も的…

猪瀬直樹『ピカレスク 太宰治伝』

◆猪瀬直樹『ピカレスク 太宰治伝』文春文庫、2007年3月 面白い。面白いのは、太宰ではなく井伏鱒二のほうだ。 太宰治の評伝なので、もちろん太宰の人生が中心に物語られていくのだが、その太宰や太宰の周辺人物たちに翻弄されていく井伏の人生。おまけに「井…