泉鏡花婦系図新潮文庫
講義で、昭和17年に作られた映画『婦系図』(マキノ正博監督)を見た。この映画が面白い。新派の舞台になるほどの物語なので、悲恋の物語だけど、ラストシーンがすごい。ある意味ホラー映画になってしまって笑ってしまう。主人公早瀬主税とヒロインのお蔦。主税の先生である酒井のために、主税とお蔦は別れさせられる。その後、お蔦は病気で亡くなり、再び主税に会うことができなかったのだが、亡くなった時に主税の元に幽霊となって現れる、というのが結末の場面。この幽霊となったお蔦の姿が、かなり怖い。この場面を見るだけでも価値がある。