2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

小松和彦『妖怪文化入門』

◆小松和彦『妖怪文化入門』せりか書房、2006年3月 本書は、妖怪について書かれた文章を集めたものなので、内容的には『妖怪学新考』と重なる。その点では物足りない。しかし、これまでの妖怪研究の流れについて、小松和彦が要領よく整理してまとめているのは…

村上春樹『蛍・納屋を焼く・その他の短編』

◆村上春樹『蛍・納屋を焼く・その他の短編』新潮文庫、1987年9月 村上春樹の短編小説は面白い。これは意外だった。やはり食わず嫌いは良くない。なんでも読んでみることが大切だ。 あらためて指摘するまでもないが、この短編集を読んでいくと、うまく話すこ…

小松和彦『妖怪学新考 妖怪からみる日本人の心』

◆小松和彦『妖怪学新考 妖怪からみる日本人の心』洋泉社、2007年7月 妖怪学の事始めとして重要な本。妖怪とは何か、という興味深い主張がなされている。日本人が妖怪とどのようにつきあってきたのか、そこから日本文化のあり方を導き出す手腕に瞠目する。 本…

村上春樹『はじめての文学 村上春樹』

◆村上春樹『はじめての文学 村上春樹』文藝春秋、2006年12月 若い人のための短編小説集として編まれた。「カンガルー日和」や「かえるくん、東京を救う」、そしてかなり印象深い作品である「沈黙」などが収められている。 本書に収められている短編は、「恐…

井桁貞義『文学理論への招待』

◆井桁貞義『文学理論への招待 “オンデマンド授業”の実際と大学授業の新しい可能性』早稲田大学文学部、2001年12月 オンデマンドで行われた授業の記録。新しい授業の可能性として、オンデマンドで文学の授業を行うこの試みは、本書を読んだ限りではおもしろそ…