2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

永井均『子どものための哲学対話』

◆永井均『子どものための哲学対話』講談社、1997年7月 語り口は子ども向けではあるが、内容は大人が読んでも十分面白い。「学校」的な道徳では決して語られないような重要なことが述べられている。 「友だちは必要か?」について、こう述べている。 人間は自…

村上春樹『アフターダーク』

◆村上春樹『アフターダーク』講談社文庫、2006年9月 面白い小説。 都会のある一夜が舞台。ファミレスで一人で本を読んでいる女と彼女に話しかける男。ラブホテルでのちょっとした事件。怪しい組織。深夜に一人残業する男。そして、これらの登場人物たちを見…

村上春樹『中国行きのスロウ・ボート』

◆村上春樹『中国行きのスロウ・ボート』中公文庫、1997年4月 中国行きのスロウ・ボート 貧乏な叔母さんの話 ニューヨーク炭鉱の悲劇 カンガルー通信 午後の最後の芝生 土の中の彼女の小さな犬 シドニーのグリーン・ストリート どの作品も味わい深いが、「午…

三浦佑之『日本古代文学入門』

◆三浦佑之『日本古代文学入門』幻冬舎、2006年9月 面白い本。エロ・グロ・ナンセンスなテーマや歴史的事件、異界のテーマの物語が多数紹介される。紹介されている物語がどれも面白い。物語なので、実際に起きた事件や出来事が語られているとは一概には言えな…

村上春樹『レキシントンの幽霊』

◆村上春樹『レキシントンの幽霊』文春文庫、1999年10月 短篇集。 レキシントンの幽霊 緑色の獣 沈黙 氷男 トニー滝谷 七番目の男 めくらやなぎと、眠る女 最近、暇になると村上春樹の小説を読んでしまう。手もとにこれぐらいしか小説がないのが原因なのだが…

アニー・ベイビー『さよなら、ビビアン』

◆アニー・ベイビー『さよなら、ビビアン』小学館、2007年7月 上海あたり都会を舞台にした刹那的な男女の関係が描かれる。都会の孤独や絶望的な愛は、読んでいて暗い気分になっていく。自分の中にある中国(人)のイメージとかなりズレる。そのズレが面白いと…

真銅正宏『小説の方法 ポストモダン文学講義』

◆真銅正宏『小説の方法 ポストモダン文学講義』萌書房、2007年4月 文学理論の入門書。ある程度文学理論に馴染んでいないと、少々むずかしいかもしれないが、面白い内容になっている。様々な理論の紹介だけでなく、理論を基にしながら、「小説とは何か」とい…