2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

大屋雄裕『自由とは何か――監視社会と「個人」の消滅』

◆大屋雄裕『自由とは何か――監視社会と「個人」の消滅』ちくま新書、2007年9月 「自由な個人」をめぐって議論が展開される。 第1章と第2章は、これまでの自由論を振り返り、批判的検討を加えていく。このあたりは、多くの文献や具体例が引き出されている。割…

井上ひさしほか文学の蔵編『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』

◆井上ひさしほか文学の蔵編『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』新潮文庫、2002年1月 一関で行われた作文教室の記録。 作文の秘訣を一言でいえば、自分にしか書けないことを、だれにでもわかる文章で書くということだけなんですね。 たしかに、こうい…

渡部淳『大学生のための知のスキル 表現のスキル』

◆渡部淳『大学生のための知のスキル 表現のスキル』東京図書、2007年6月 大学生というより教師向けの本。プレゼンテーション能力をいかに育てていくか、さまざまな活動が報告されている。 ノートの取り方から、ディベート授業のアイデア、論文の執筆方法など…

島田洋七『佐賀のがばいばあちゃん』

◆島田洋七『佐賀のがばいばあちゃん』徳間文庫、2004年1月 がばいばあちゃんは、なかなかうまいことを言う。 たとえば、1や2ばかりの通知表を見て、「足したら5になる」と言い、「人生は総合力」と言い切るところなど、なるほどうまいことを言うものだと感心…

丸谷才一『日本文学史早わかり』

◆丸谷才一『日本文学史早わかり』講談社文芸文庫、2004年8月 本書の特徴は、詞華集による文学史ということである。丸谷は、従来の文学史が西洋19世紀の個人主義的な文学史であったことに不満を感じ、勅撰集に着目した。それは個人主義によって生まれたもので…

寺山修司『家出のすすめ』

◆寺山修司『家出のすすめ』角川文庫、1972年3月 「家」とは「ある」ものではなく「なる」ものだという。関係が相対的であるという考えは、今では当たり前になってしまったが、寺山の時代ではものめずらしい思想だったのだろうか。書かれた当時は、どの受容さ…

寺山修司『書を捨てよ、町へ出よう』

◆寺山修司『書を捨てよ、町へ出よう』角川文庫、1975年3月 文章がすばらしい。第2章の「きみもヤクザになれる」で、さまざまな人物を描いているが、ここは非常に読み応えがある。書を捨てよ、町へ出よう (角川文庫)作者: 寺山修司出版社/メーカー: 角川書店…