2004-06-01から1ヶ月間の記事一覧

お手軽レポート術

高校生や、大学生で、もし何か文学作品を論じるレポートが課されたら、簡単にだれでも書けるネタがある。 とにかく、女性が主人公の小説を読んで、論じるときは、たとえば「この女性は男性の価値観に抑圧(疎外)されている」とか「○○という女性登場人物は、…

限定復刊、のこりあと僅か

◆大岡昇平『堺港攘夷始末』中公文庫 ◆安部公房『カンガルーノート』新潮文庫 本当は、高橋源一郎の文庫本『日本文学盛衰史』を買いに本屋に寄ったのだが、棚をぶらぶら見ていると、限定復刊の文字が目に入る。おまけに、ご丁寧にここにあるだけ、とまで書い…

うれしい復刊

◆S・フェルマン『語る身体のスキャンダル』勁草書房 「書物復権」は、毎回重要な本が復刊されて、研究者にはうれしい企画だ。今年もけっこう良い本が、復刊されているので、できるだけ手に入れておきたい。その中の一冊が、このフェルマンの本だ。この本、…

私には違和感を覚える内容だが

◆堀内圭子『<快楽消費>する社会』中公新書 <快楽消費>という言葉に引かれて、図書館で借りて読んでみた。とても上手に書かれた文章で、説得力もある主張だ。本書のように研究論文を書くと良いのだろうなあと思う。論文の書き方として参考になる本だ。 し…

見たということ

◆『ヴァンダの部屋』監督:ペドロ・コスタ/2000年/178分 蓮實重彦や青山真治が、対談などでちょくちょく言及し、賞賛していた作品『ヴァンダの部屋』を見る。二人が賞賛するのだから、きっとすごい作品なのだろうと期待する。この映画の何がすごいのだろう…

完結する

◆『岩波講座文学別巻 文学理論』岩波書店 ◆J・バトラー『触発する言葉』岩波書店 『岩波講座文学』シリーズ、この別巻をもって完結。ようやく全部揃ったか…。よくこんな本を全部買ったものだ。図書館や研究室でも購入しているから、自分で買う必要はなかっ…

まだまだ続きます

◆小林秀雄『小林秀雄全作品21』新潮社 まだ、完結するまでにあと10冊ちかくあるのか。買い続けるには忍耐が必要だ。

自分と同じかも

◆小熊英二『単一民族神話の起源』新曜社 ◆加藤郁乎編『吉田一穂詩集』岩波文庫 ◆ポール・ヴァレリー『ムッシュー・テスト』岩波文庫 このところ研究書ばかり読んでいて、小説だの詩だのをまったく読んでいなかった。こんなことでは、研究分野は「日本文学で…

読書中!!

小熊英二『単一民族神話の起源』を今日一日中読んでいた。あとは結論の章を読めば読了だ。分厚い本だと思ったけど、なんとか読み終えることが出来そう。日本は「単一民族」であるというのが、意外と最近の語り口だったと知って、驚く*1。 *1:今頃何を言って…

文庫本から

◆小川洋子『妊娠カレンダー』文春文庫 『博士の愛した数式』が売れ続けている。で、小川洋子に興味を持った。しかし、流行に乗るのもあれなので、とりあえず芥川賞受賞作から読むことにした。というより、本当は今、文庫しか買えるお金がなかったのが一番の…

雨が降るとやる気がなくなる

勉強する気がまったく起らず。不調。きょうは実際、何もせずに家でごろごろしていようかと思ったほど。雨も激しく降っていたし。とはいえ、それでは退屈なので、雨の中、学校へ。 校内を歩いていると、先生が教室のビデオの音声が出ないと慌てている。事情を…

ヘーゲルも読まねば

◆平川祐弘『中国エリート学生の日本観』文藝春秋 ◆『世界の名著44 ヘーゲル』中央公論社 ともに古本で購入。この『世界の名著44 ヘーゲル』には、「精神現象学序論」と「法の哲学」が収録されている。今回必要なのは、「法の哲学」。こちらを読まねば。

ちょっと説得力が足りなかった

◆井上章一『狂気と王権』紀伊国屋書店 「言説」分析研究とはどういうものなのかを、あらためて確認したいなあと思う今日この頃。そういえば、井上章一なんて、いかにも「言説」分析で、面白い本を書いていたなあと思い出し、これまで読んだことがなかった、…

言語の哲学が面白い

◆I・ハッキング『言語はなぜ哲学の問題になるのか』勁草書房 最近、分析哲学やデイヴィドソンに関する本をいくつか読んでいるが、そうした本で分析哲学の入門書として挙げられている本。けっこう良い本らしい。ということで、藁にもすがる思いで、読み始め…

<美少女>とは何か

◆ササキバラ・ゴウ『<美少女>の現代史』講談社現代新書 まんがやアニメにおける<美少女>のイメージの意味を論じている。私の中の疑問がいくつか解ける。なかなかの良書。とりわけ、<美少女>を論じてしまう男性を素材に取り上げて論じたことの意味は大…

強烈な印象を受ける

◆渡辺一史『こんな夜更けにバナナかよ』北海道新聞社 けっこうボリュームのある本だったけど、やはり中身が面白いのですらすらと読んでしまった。この面白さは、残念ながら書き手の力というより、論じた対象、つまりこの本の中心人物となる鹿野氏とそのボラ…

これは面白そうだ!

◆日本近代文学との戦い 後藤明生著 読売新聞サイトの書評から。書評を読む限り、これはぜひとも読むべき本だ。後藤明生が「日本近代文学」と闘うのか!と思ったら、敵はもっと身近なところにいたのだった…。

サブカルチャー研究

◆ササキバラ・ゴウ『<美少女>の現代史』講談社現代新書 ああ、やっぱり買ってしまった。いわゆる「萌え」についての評論ということになるのだろうか?「おたく」とか「萌え」といったサブカルチャーについての評論は、ついつい買ってしまう。

いかに評価するのか

◆C・ノリス『ポール・ド・マン』法政大学出版局 もちろん、ド・マンの思想を論じることが中心なのだけど、それ以外にも現代思想を論じた本としても読めるおいしい本。とはいえ、かなり読むのがハードな本ではあった。 訳者のあとがきで、この本の中身がコン…

とうとう買いました

節約して貯めたお金で、とうとう電子辞書を買う。電子辞書といえば、かなり昔に、MDみたいなディスクを入れて使うソニーの辞書を買ったことがある。検索の度にディスクがジリジリと動くので、けっこう時間がかかったような気がする。たしかディスクが4倍速ぐ…

「愛」ならば、理解できるかも…

◆Niklas Luhmann「Love As Passion」ISBN:0804732531 ルーマンの本を買ってみる。「恋愛」に関する研究なら、なんとか読めるのかもしれないと、この本を選ぶ。

「解釈」について考える

石原千秋『テクストはまちがわない』をちょろちょろと読み始める。昨日『デイヴィドソン』を読み終えたところだから余計にそう感じるのかもしれないが、この石原氏のテクスト論はどうもデイヴィドソンの哲学と近いものがあるのではないか、と思っている*1。 …

話題の本

◆渡辺一史『こんな夜更けにバナナかよ』北海道新聞社 去年から、話題になっていたノンフィクション。いくつか賞も受賞していて、評価も高い一冊。ずっと気になっていた本。近所の本屋でたまたま見つけて、衝動的に買ってしまう。読み応えがありそうな内容。

やっぱり難しかったが

◆森本浩一『デイヴィドソン 「言語」なんて存在するのだろうか』NHK出版 デイヴィドソンがいったい何を考えていたのかということが、けっこう分かりやすく書かれていたと思う。私には役に立つ。 この本によると、デイヴィドソンは「言語」というものを拒否し…

怠惰な生活を改めること

それにしても、私は勉強不足だなあと思う。現状は一日に一冊、本が読めるかどうか。一冊読むと、疲れたと自分に言い訳してもう何もしない。具体的にはこれぐらいしか勉強してないのだ。もっとたくさんの本や論文を読まないと、研究者として全然足りないと反…

人はなぜ食べたものを記録するのか

◆武田百合子『富士日記』(上)(中)(下)中公文庫 古本で購入。この前の正岡子規の日記と同じで、この日記も毎日食べたものが記録されていて、興味深い。人は、なぜ日記に自分がその日食べたものを記録するのか?ということを密かに考えている。 ちなみに…

観察の観察

◆N・ルーマン『近代の観察』法政大学出版局 170ページほどの本なので、すぐに読み終わると思ったけど、なかなか難しかった。読み終えても、内容をきちんと掴んだのかと言うと、それもあまり自信がない*1。 観察者とは、観察者として観察される者のことである…

トークセッション

7月15日(木)18:30から池袋のジュンク堂で行われる『熱い書評から親しむ感動の名著』関連のトークセッションのお知らせが届く。私が憧れている、中条氏が出るので、ぜひとも聞きに行きたい。 しかしながら、無職学生の私は、時間の余裕はあるけれど、お金が…

楽しみな一冊

◆森本浩一『デイヴィドソン 「言語」なんて存在するのだろうか』NHK出版 最近、興味を持っている哲学者デイヴィドソンについての本。例の「シリーズ・哲学のエッセンス」の中の一冊だ。このシリーズは、一風変わったラインナップで面白いのだが、本の内容に…

たしかに平易な文章だ

◆橋爪大三郎『言語ゲームと社会理論』勁草書房ASIN:432615148X アマゾンの書評を読んでいたら、3章のルーマンに関しては、すでに批判されているという。そうだったのか…。というのも、実は3章がけっこう私には面白かった。1章のヴィトゲンシュタインの言語ゲ…