お手軽レポート術

高校生や、大学生で、もし何か文学作品を論じるレポートが課されたら、簡単にだれでも書けるネタがある。
とにかく、女性が主人公の小説を読んで、論じるときは、たとえば「この女性は男性の価値観に抑圧(疎外)されている」とか「○○という女性登場人物は、男性主人公にとって理解不可能な他者であった」というように論じると、きっと担当教官から優がもらえると思う。たいていの物語には、女性が出てくるのだから、ほぼどんな小説の分析にも使える。とにかく、「女性」に出会ったら、「他者」と思え。
それから、文学では常に男性が「中心」で女性は「周縁」の存在となる。さらに、男性は見る側(=支配する側)、女性は見られる側(支配される側)と必ず決まっている。したがって、女性が支配に屈服するか抵抗するかどちらかとなる。まあ、小説を読んで男性の支配に苦しんでいるようなら、男性に抑圧されていると結論すればよい。男性に何らかの抵抗を示していたら、主体性を見せ男性に抵抗した、と結論すればよい。これが、文学のレポートの基本だろうか。これさえパターンとして身につけておけば、どんなレポートもこのパターンに当てはめればよいので、簡単になると思う。
たとえば、漱石の『三四郎』など、小説全体の内容が理解できなくても、とりあえず美禰子は男性側から見られる存在だ、従って男性的価値観に抑圧されているのだ、と述べればそれらしい分析になる*1。あとは、適当な箇所を引用すれば、もう立派な論文だ。それに、こういう分析をすると、ただの感想文より文学研究っぽく見えるので、教授が喜ぶだろう。
ぜひ、ぜひ学生のみなさん試してみて下さい*2

*1:この読みが妥当なのかは私には知らないけど。

*2:一度、「知の欺瞞」のようにパロディ論文を書いてみようかなあ。