言語の哲学が面白い

◆I・ハッキング『言語はなぜ哲学の問題になるのか』勁草書房
最近、分析哲学デイヴィドソンに関する本をいくつか読んでいるが、そうした本で分析哲学の入門書として挙げられている本。けっこう良い本らしい。ということで、藁にもすがる思いで、読み始める。
しかしながら、入門書的な本ではあるのだろうけど、かなり読み応えがある本。簡単にすらすらとは読めるものではない。でも、これまでの読書のおかげで、なんとか挫折することなく読了。言語という観点からの哲学史、といった感じで面白い。これを読むと哲学の流れを知るのに役立つはずだ。
この本を読んで、ますますデイヴィドソンを勉強しないといけないなあと感じる。ハッキングもデイヴィドソンにかなりのページを割いて論じている。批判はあるにしても、デイヴィドソンの哲学に何か可能性を感じているようだ。私も、デイヴィドソンを参考にしながら、テクストを解釈すること、ということを考えたい。文学テクストを解釈するということを、理論的に考察したい。自分の批評・研究活動における、土台になるような理論を持ちたいと常々感じているので。自分の根拠となるような場所というものが欲しい。