2004-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「解体」なのか「補強」であるかの大きな違い

◆多木浩二『雑学者の夢』岩波書店 やはり面白い本だった。非常に限定された形ではあるが、多木氏のこれまでの読書経験が語られており、氏の思想形成の一端を垣間見られたというのは、非常にありがたいことだ。 言語や記号への関心から語り起こされ、そこでは…

困ったときの「一言」

ネット上での議論を見ていると、一つの決まり文句があることに気がつく。 「○○と一括りするな!」というものである。 たとえば、最近でも亀井秀雄氏のサイトを読んでいたら、宮台批判がなされていて、そのなかで「随分無神経に「日本人」を一括りに扱ってい…

魅力を語ってみる

◆多木浩二『雑学者の夢』岩波書店 ◆柴崎友香『ショートカット』河出書房新社 思うに、私がなりたい/目指したいのは、多木浩二氏のような批評家なのだろう。「雑学者」とタイトルにあるが、多木氏のような広範囲にわたる知識を身につけたいと願う毎日だ。多…

素人でも楽しめる本

◆大庭健『はじめての分析哲学』産業図書 「まえがき」で著者が「素人による・素人のための・分析哲学の入門書」と述べるように、分析哲学とはなんだ?という素人の私にはすごく助かる本。本書は、とりわけ分析哲学が科学哲学とどう関わるのか、という部分に…

グループとは??

「はてなグループ」とはいったいどんなものなんだろうと?と最近気になっている。イマイチ理解していない。 ところで、はてなにはけっこう院生の方もおられるようなので、そういった院生さんや研究者のグループとかあったら良いなと思ってみたり。で、特に「…

長文が良いとは限らない(…と思う)

長文を書く人が多いなあという話を最近していた。私の身の回りでも、放っておくと果てしなく長い論文を書く人が多い。たいてい研究雑誌は、制限枚数というものを設けているが、それでは全然足りない、と嘆いている。私などは、論文のネタが少ないので、短い…

社会学関連

◆宮台真司『権力の予期理論』勁草書房 ◆落合仁司『保守主義の社会理論』勁草書房 ◆小熊英二『単一民族神話の起源』新曜社 社会学系の本ばかり。こういう本ばかり買ったり、借りたりしていて、いったい自分の専門が何だったのか忘れそうだ。私の専門は、そう…

難しいが興味はある

◆サイモン・エヴニン『デイヴィドソン 行為と言語の哲学』勁草書房 きっと良い本なのだろうと思う。私には理解出来ないのだけど。理解出来ない割には、読んでいて飽きないし、面白いなあと思ったので。言語哲学とか、デイヴィドソンなどの基本的な知識を少し…

芸術を擁護してみる

昨日の続きを少し考えてみる。私自身の問題として、一つあげるならば、人間に自由はあるのか、もっと範囲を狭めるならば、芸術家にとって創造の自由とは何か、という問題になるだろう。自由が怖い、と言っている私がいうのもあれなんだが、芸術の創造は自由…

知りたいことがたくさん

◆立花隆『日本共産党の研究』(一)(二)(三)講談社文庫 ◆橋爪大三郎『言語ゲームと社会理論』勁草書房 『日本共産党の研究』は古本で購入。今まできちんと共産党について調べたことがなかった。要するに、伝聞したことからのイメージだけしか持っていな…

コピー取り

本を読む気力が無かったので、とりあえず肉体労働をしようと、面倒なのでこれまで避けていた、雑誌の論文のコピーをする。と図書館行って、雑誌を借りて、研究室でコピー。 コピーしなくてはいけないものは決まっているのだけど、それ以外の論文を雑誌のペー…

無理をしてみる

◆大庭健『はじめての分析哲学』産業図書 ◆永井均『<魂>に対する態度』勁草書房 ◆戸田山和久『知識の哲学』産業図書 ◆森岡正博『無痛文明論』トランスビュー 久々に哲学への憧れが湧いてきて、それならしばしば「いっちゃってる」と言われる分析哲学がどん…

話題についていくために

◆リチャード・ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』岩波書店 最近、ちょっと話題になっているローティ。話題になっているときに、それに乗じて読んでみるのも悪くない。こういうきっかけでもないとローティなんて読まないかもしれないし、読んでも理解でき…

論理も大切、だけど曖昧さも魅力

◆武田徹『調べる、伝える、魅せる!』中公新書ラクレ 一気に読了。けっこう楽しめた。一種の文章読本ともいえる「執筆編」の章は、とても参考になる。 「が」の使い方なんて、文章を書くときには本当に気をつけておきたい。「が」という語の持つ多様性は、も…

サイトの表示

教えて頂いた「iCapture」で、Macではこのサイトがどのように表示されるのかさっそく確認してみた。 結果は、ほぼウィンドウズと同じだったので一安心。微妙にずれている箇所もあるにはあったが、テキストを読むにはまったく関係がないので気にしない。

大学のアイデンティティ

東大で、新しいシンボルマークを商標登録を出願したというニュースがあった。*1どうやら、法人化の影響らしい。それから、「UI」なんていう言葉が記事中にある。「ユニバーシティー・アイデンティティ」という意味のことらしい。シンボルマークによって、…

メディアリテラシーを養う

◆武田徹『調べる、伝える、魅せる!新世代ルポルタージュ指南』中公新書ラクレ 買ってから、すぐに読み始めた。いま、半分ほど読み終えたけど、かなり面白い本。ルポルタージュの書き方を具体的に示している。しかも、ルポの方法を知ることは、一種の批評眼…

けっして読んではいけない

フレデリック・グロ『ミシェル・フーコー』(文庫クセジュ)は、まったくひどい本。買わないで、図書館で借りておいてよかった。薄い新書だからと、気軽に読んではいけない。読むとむしろ害毒になるのではないか、と思うぐらいひどい。これを読むのに苦労す…

すばらしい解説付き

◆中島義道『働くことがイヤな人のための本』新潮文庫 かつて、中島義道の著作を夢中になって読んでいた時期があったけど、ここ数年遠ざかっていた。しかし最近、「働くこと」について考えていたので、このタイトルを見て、とりあえず参考までに読んでみた。 …

気になってしまうこと

blogを使っていて、いつも気になって仕方がないことがある。それは、自分のblogが他の人のパソコンではどのように表示されているのか、ということだ。 自分のパソコンでは、きちんと表示されていても、環境によって、表示のされ方が変わる。色なんかも異なる…

ほどほどな「自由」がいい

◆森村進『自由はどこまで可能か リバタリアニズム入門』講談社現代新書 国家や政府の介入を可能限り抑え、民間や個人を自由のもとで何ができるのか、を考えるのがリバタリアニズムっていうことなのだろうか。 とにかく、何事も「自由」を尊重する。簡単にま…

しっかりせねばいけないのだが

◆エーリッヒ・フロム『自由からの逃走』東京創元社 ◆エヴニン『デイヴィドソン』勁草書房 ◆森村進『自由とはどこまで可能か』講談社現代新書 ◆フレデリック・グロ『ミシェル・フーコー』文庫クセジュ リバタリアニズムって、いったいどんなものなのか、これ…

気になる時代

◆小森陽一・井上ひさし『座談会昭和文学史 第一巻』集英社 ◆『思想』2004年第5号 とうとう『座談会昭和文学史』を買ってしまった。第一巻は大正から昭和初期が中心。谷崎や志賀直哉、そして横光といったところが話題となっている。この時代は自分自身の研究…

誤字・脱字の多さが気になる

◆立岩真也『弱くある自由へ』青土社 なんだか読みにくい本だった。ちょっとがっかり。妙に誤字、脱字が多い気がする。なんでだろう?1、2箇所ぐらいなら、別に取り上げることではないが、けっこうな数が見つかった。もうちょっとチェックすれば良かったのに…

疲れた…

ここ一週間、ほとんど家にいて本を読み続けていたので、それなりに勉強をした気分にはなっているのだけど、相変わらず自分はバカだなあと気がついて、身体の疲れも重なり、どっと落ち込む。バカは何をしてもバカなままなのかもしれないと。ただ、疲れだけが…

二日続けてルーマン関係を読む

◆高橋徹『意味の歴史社会学』世界思想社 『情熱としての愛』を論じた第5章が、私的には興味を引いた。この章だけはコピーでもして、もう一度読み返そう。というか、この本を直接読んでしまってもいいのかもしれない。

もし自分ならどうするか

時々、苅谷剛彦『知的複眼思考法』を読み直して、自分の本の読み方や論文の書き方などを反省している。 私は、気が短いのか、そそっかしいのか、思いついたことをそのまま書いてしまって、後から冷静になって自分の書いたものを読み返して変なことを言ってい…

もっとルーマンについて勉強したい

◆小松丈晃『リスク論のルーマン』勁草書房 この本を読んでいたら、やっぱり直接ルーマンの本を何か読まないとダメだなと思った。ルーマンの本は何か面白そうなことが書かれてあるのではないか、とこの本を読んで感じた。もっとルーマンについて勉強しよう。

ひたすら読書、読書、読書

◆柄谷行人『倫理21』平凡社ライブラリー ◆ソフィア・フォカ、レベッカ・ライト『イラスト図解 “ポスト”フェミニズム入門』作品社 ◆市野川容孝『身体/生命』岩波書店 休日のひきこもりらしく、ひたすら読書、読書、読書で一日が終る。なんとか今日は3冊。と…

自分にとって読みやすい本とは

◆宮台真司・姜尚中『挑発する知』双風舎 ◆『談 特集自由と暴走』2004 no.70 福田和也が『ひと月に百冊読み三百枚書く私の方法』のなかで、「書くコツ」として自分の能力を知っておくことと述べている。その能力に、情報を集める際に、自分がどういう文章のも…