素人でも楽しめる本

大庭健『はじめての分析哲学』産業図書
「まえがき」で著者が「素人による・素人のための・分析哲学の入門書」と述べるように、分析哲学とはなんだ?という素人の私にはすごく助かる本。本書は、とりわけ分析哲学が科学哲学とどう関わるのか、という部分にしぼってかなり図式的*1にまとめた本なので、もちろん専門家が読めばきっと穴が見つかるのだろうけど、私のような立場だと、こうした本を読むとかなり視界がすっきりとしていて読んでいて気持ちが良くなる。
この本で、分析哲学が分かったとはさすがに言わないが、分析哲学の一面を見られたということが大きい。でも、こういう本ばかり読んでいては、なかなか哲学の道に入り込めないのだろうなあ。こういう本は、哲学の入り口へたどり着く道筋を現わしたものだと思う。つまり、まだ私は哲学の入り口にさえ立っていない。もう少し、自分自身で哲学書と格闘してみないとなあと思う。
とはいえ、すぐれた案内書は貴重である。

*1:主として論理実証主義プラグマティズムの対決という感じで