2005-06-01から1ヶ月間の記事一覧

古典を読まないといけない

◆『現代思想』2005年6月臨時増刊 この臨時増刊号は「ブックガイド日本思想」だ。『古事記』から丸山真男まで取り上げている。近世から近代の思想に興味があるので、参考にしたい。

講談社文芸文庫編『戦後短篇小説再発見7』

◆講談社文芸文庫編『戦後短篇小説再発見7 故郷と異郷の幻影』講談社文芸文庫、2001年12月 第7巻のテーマは、「故郷」。この巻の解説を書いた川村湊によると、1930年代は「故郷回帰」ブームだったという(p.305)。国内では都市化の進行があるし、国外に目を向…

F・X・トゥール『ミリオンダラー・ベイビー』

◆F・X・トゥール(東理夫訳)『ミリオンダラー・ベイビー』ハヤカワ文庫、2005年4月 このあいだ、映画『ミリオンダラー・ベイビー』を見て、その内容が気になったので、原作を読んでみた。原作は短篇集になっていて、「ミリオンダラー・ベイビー」もその短篇の…

講談社文芸文庫編『戦後短篇小説再発見6』

◆講談社文芸文庫編『戦後短篇小説再発見6 変貌する都市』講談社文芸文庫、2001年11月 第6巻のテーマは「都市」。「都市」小説は、けっこう好きなので期待して読み始める。 織田作之助「神経」…◎、戦争が終わり、混乱している都市のなかで、必死に生きていこ…

夭折の詩人

◆原口統三『定本 二十歳のエチュード 付死人覚え書』ちくま文庫、2005年6月(ISBN:4480421009) 1927年に京城で生れ、一高に入学。戦後、1946年の19歳の時に逗子の海で入水自殺をした原口統三。「夭折」と聞いたら、文学者としては読むしかない。文学が好きだ…

川本隆史『現代倫理学の冒険』

◆川本隆史『現代倫理学の冒険−社会理論のネットワーキングへ−』創文社、1995年1月 第一部で、現代の正義論の状況を巧みにまとめている。功利主義からはじまって、リベラリズム、リバタリアニズム、コミュニタリアニズム、フェミニズム、そしてA・センについ…

講談社文芸文庫編『戦後短篇小説再発見5』

◆講談社文芸文庫編『戦後短篇小説再発見5 生と死の光景』講談社文芸文庫、2001年10月 第5巻のテーマは「生」と「死」。文学の王道といえるテーマだ。そのためか、収録されている小説は、どれも読み応えがある。しかし、どれも似たり寄ったりで、強烈な個性を…

講談社文芸文庫編『戦後短篇小説再発見4』

◆講談社文芸文庫編『戦後短篇小説再発見4 漂流する家族』講談社文芸文庫、2001年9月 どちらかと言うと、長篇小説のほうが好きなのだが、短篇を毎日読んでいると、短篇ならではの魅力に気が付き、それにはまっていく。第4巻は、「家族」がテーマだ。 安岡章太…

橋本努『自由の論法』

◆橋本努『自由の論法−ポパー・ミーゼス・ハイエク−』創文社、1994年12月 ポパーとミーゼスとハイエクを比べて、その長所と短所を批判的に議論していく。そして自由主義思想を合わせて検討している本。しかし、私には難しすぎた。取り上げられている3人につい…

本広克行『交渉人 真下正義』

◆『交渉人 真下正義』監督:本広克行/2005年/東宝/127分 退屈せずに、最後まで見ることができたけど、いまいちインパクトに欠ける映画。 「交渉人」という役が必要だったのか…。別に「交渉人」じゃなくても、普通の刑事でも良いではないか!。結局、「交…

講談社文芸文庫編『戦後短篇小説再発見3』

◆講談社文芸文庫編『戦後短篇小説再発見3 さまざまな恋愛』講談社文芸文庫、2001年8月 第2巻が図書館に無かったので、飛ばして第3巻に突入。以下、各短篇についてのメモ。 山川方夫「昼の花火」…△、もう一工夫欲しい。 壇一雄「光る道」…○、妖しい魅力。すば…

思想地図!

◆『大航海』2005、No.55 ◆F・X・トゥール(東理夫訳)『ミリオンダラー・ベイビー』ハヤカワ文庫、2005年4月(ISBN:4150410828) 『大航海』の特集は「現代日本思想地図」。この特集に惹かれて、買ってしまった…。映画『ミリオンダラー・ベイビー』をもう一度見…

講談社文芸文庫編『戦後短篇小説再発見1』

◆講談社文芸文庫編『戦後短篇小説再発見1 青春の光と影』講談社文芸文庫編、2001年6月 全部で11の短篇小説が収められている。以下、各短篇についての簡単なメモ。 太宰治「眉山」…○、「うまいね」という印象。 石原慎太郎「完全な遊戯」…××、この短篇は、以…

ガストン・バシュラール『夢想の詩学』

◆ガストン・バシュラール(及川馥訳)『夢想の詩学』ちくま学芸文庫、2004年12月 バシュラールの本は、いつも一回では何を論じているのか理解できない。ぼんやりとした理解しかできないのだけど、時間が経つとじわじわと気になる箇所が出てくる。夢やイマージ…

海老坂武『サルトル』

◆海老坂武『サルトル−「人間」の思想の可能性−』岩波新書、2005年5月 20世紀を代表する思想家サルトル。そのサルトルは、1905年6月21日にパリで生れた。したがって、今年2005年はサルトルの生誕100年の年にあたる。どうやら、フランスでは今年はサルトル関連…

樋口真嗣『ローレライ』

◆『ローレライ』監督:樋口真嗣/2005年/日本/129分 原作は福井晴敏の『終戦のローレライ』という小説。今年になって、福井晴敏の原作の映画が相次いで作られているので、一体どういうことなのだろうか不思議に思って試しに見に行った。潜水艦が舞台で、ス…

貴戸理恵『不登校は終わらない』

◆貴戸理恵『不登校は終わらない 「選択」の物語から<当事者>の語りへ』新曜社、2004年11月 この本について、どのような批判がなされたのか追いかけていないので、詳しいことは全く知らないのだけど、一読した限りではなかなか興味深い本だった。私は「物語…

西川祐子『住まいと家族をめぐる物語』

◆西川祐子『住まいと家族をめぐる物語』集英社新書、2004年10月 日本の近代を「住まい」と「家族」の構造の変遷を通して概観する。大学の講義を模したスタイルで書かれており、非常に読みやすい。日本近代の家族論でもあるし、広い意味では建築史でも都市論…

J・デリダほか『ニーチェは、今日?』

◆J・デリダ/G・ドゥルーズ/J=F・リオタール/P・クロソウスキー(林好雄・本間邦雄・森本和夫訳)『ニーチェは、今日?』ちくま学芸文庫、2002年1月 ちくま学芸文庫には、デリダとかドゥルーズとかフランスの現代思想家の本が何冊か入っていて、とてもありが…

貴戸理恵『不登校は終わらない』

◆貴戸理恵『不登校は終わらない 「選択」の物語から<当事者>の語りへ』新曜社、2004年11月(ISBN:478850927X) とりあえず手に入れてみた。ずっと<当事者>という言葉が気になって仕方がなかった。どちらかというと、<当事者>という概念には批判的な立場…

ベンヤミン『ベンヤミン・コレクション2』

◆ヴァルター・ベンヤミン(浅井健二郎編訳)『ベンヤミン・コレクション2 エッセイの思想』ちくま学芸文庫、1996年4月 ベンヤミンは苦手で、これまで何度か読もうとチャレンジしてきたが、いつも数ページ読んだところで挫折してきた。しかし、いつまでもこんな…

ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』

◆ルートウィヒ・ウィトゲンシュタイン(中平浩司訳)『論理哲学論考』ちくま学芸文庫、2005年5月 昔、2、3度読んだことがある本。新しい訳の本が、ちくま学芸文庫から出たので、もう一回読んでみた。自分が成長したかどうかを確かめるために。 しかし、今回も…

クリント・イーストウッド『ミリオンダラー・ベイビー』

◆『ミリオンダラー・ベイビー』監督:クリント・イーストウッド/2004年/アメリカ/133分 昨日見た『オペレッタ狸御殿』の鈴木清順が82歳。そして、この『ミリオンダラー・ベイビー』のクリント・イーストウッドは74歳と、日米の超ベテラン監督のがんばりに…

鈴木清順『オペレッタ狸御殿』

◆『オペレッタ狸御殿』監督:鈴木清順/2005年/松竹/111分 オダギリジョーとチャン・ツィイーの主演。どちらも今気になる俳優。二人とも良い。演技が巧いなと毎回見る度に感心する。 それにもましてすごいのが、監督の鈴木清順だろう。とても80歳を越えて…