J・デリダほか『ニーチェは、今日?』

◆J・デリダ/G・ドゥルーズ/J=F・リオタール/P・クロソウスキー(林好雄・本間邦雄・森本和夫訳)『ニーチェは、今日?』ちくま学芸文庫、2002年1月
ちくま学芸文庫には、デリダとかドゥルーズとかフランスの現代思想家の本が何冊か入っていて、とてもありがたい。だが、一方で最近気になっているのは、たいてい訳者が「森本和夫」となっていることだ。この訳者がどんな人なのか、私は全く知らないのだけど、いつもいつもちくま学芸文庫では、この人の翻訳をなぜ採用するのかが気になって夜も寝られやしない。ほかにやる人がいないのだろうか…。
1972年7月に、フランスはノルマンディー地方の小村、スリジー=ラ=サルで、「ニーチェは、今日?」というコロックが行われた。その時の発表報告とその後の討論の概要が本になったという。その本から、クロソフスキー、リオタール、ドゥルーズデリダの4人を取り出して翻訳したものが、この本。
しかし、内容がイマイチだった。どの議論も特に面白いところがなかった。デリダの議論には少し興味を持ったけど、デリダだけに一回読んだだけでは理解しにくい…。それから本書には各論者の文章の後に、訳者の解説が付いているのだけど、この解説を読んでも理解の助けにならない(むしろ余計混乱するではないか?)。こういう解説は、無くても良かったのではと密かに思う。ああ、時間の無駄だったか。

ニーチェは、今日? (ちくま学芸文庫)

ニーチェは、今日? (ちくま学芸文庫)