2004-03-01から1ヶ月間の記事一覧

欲しい本を手に入れる

◆小熊英二『<民主>と<愛国>』新曜社 ◆富士川義之『新=東西文学論』みすず書房 ◆イヴ・ボヌフォワ『ありそうもないこと』現代思潮社 いずれも古本で購入。そうでないと、これらを新刊書店で買ったら、しばらく飲まず食わずの生活になってしまう…。ネット…

おもしろい試み、さっそく試してみたくなる

bk1で、新しい試みが。書籍情報のページにトラックバックを送信することができるようになった。最近、書評を書くのが面倒でサボっていたけど、これからは日記にちょっとだけ記した感想を、トラックバックで送信しておこうかな。書評より気軽に送信できるかも…

小著でも拡がる知の世界

◆山田ズーニー『伝わる・揺さぶる!文章を書く』PHP新書 ◆酒井順子『少子』講談社文庫 ◆熊野純彦『カント 世界の限界を経験することは可能か』NHK出版 薄い本ばかりなので、一気に読み通してみた。 『伝わる・揺さぶる…』は、文章を書くのに重要なことは結局…

人間と物語の関係を探る 

◆私市保彦『幻想物語の文法』ちくま学芸文庫 幻想物語のテーマというかパターンといったものを古代から現代までの物語を使って引き出して、それがどのように描かれているか論じた好著。「影」や「分身」といった代表的な主題から、他界の創造まで。幻想物語…

役に立つ

◆山田ズーニー『伝わる・揺さぶる!文章を書く』PHP新書 「ほぼ日」での「大人の小論文教室」を読んで、けっこうおもしろかったので買ってみた。 で、さっそく読んでみたけれど、かなり実践的なことを具体的に述べているので、私にはすごく参考になる本だっ…

表示に偽りあり!

アマゾンのことである。私のなかで、アマゾンは評判が悪い。その理由は、まず梱包が悪い。というか、BK1に比べて本の扱い方が悪いような気がする。本フェチとしては、少々の傷でも失望するのだ。アマゾンはそんなお客がいることを知らない。まあ、これは単な…

「三島」本

◆いいだもも『1970・11・25三島由紀夫』世界書院ASIN:4792720672 ◆ジェイムズ・ジョイス『フィネガンズ・ウェイクⅢ・Ⅳ』河出文庫ASIN:4309462367 ◆酒井順子『少子』講談社文庫ASIN:4062739097 ◆堀江敏幸『熊の敷石』講談社文庫ASIN:4062739585 『1970・11・2…

何が生きにくいのかを考える

◆大庭健『他者とは誰のことか』勁草書房 ◆南条あや『卒業式まで死にません』新潮文庫 『他者とは誰のことか』を読み終えた。「人−間」という存在、他者との関係において「私」なるものが存在すること、などウンウンと頷きながら読む。第一部あたりは、なんと…

最終講義

今年退官なされる先生の最終講義を聴きに行く。その専門分野では有名な先生だし、教え子も多いので教室はたくさんの人で埋まっていた。やはりきちんと業績を積まれた研究者は、最後にその成果がはっきりとこういう形で現れるのだなあと。しっかりした研究し…

日本近代文学とパリ

◆『パリ・日本人の心象地図―1867-1945』藤原書店ASIN:4894343746 以前、藤原書店からは『言語都市・パリ』という本が出て、そちらも詳細な研究だったけど、今回の本もかなりの資料があり、日本の近代文学とパリとの関係について研究は、今後この2冊の本が基…

歩く鴎外

あの明治の文豪、森鴎外の歩く姿が映ったフィルムが発見されたというニュース。晩年の姿だそうで。約3秒ほど写っているという。どんなものか、見てみたい。 http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20040312it04.htm

衝撃的な結末

◆『息子のまなざし』2002年/ベルギー=フランス/103分 監督:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ びっくりした、結末を見て。こんな結末の映画を見たのは初めてだ。詳しく書くと、これから見る人に悪いのでこれ以上は言いたくないが、衝撃的だった。 …

テクスト論

◆石原千秋『テクストはまちがわない』筑摩書房ASIN:4480823549 石原氏の若い頃から現在までの論文を集めた物。どんな仕事をしてきたのか、楽しみだ。「テクストはまちがわない」というのは、石原氏のキャッチコピーのようなものだな。そういえば、石原氏がい…

岩波文庫で読んだけど

◆プラトン『ソクラテスの弁明・クリトン』岩波文庫ASIN:4003360117 これはイマイチ面白くない。というか、岩波文庫で読むと面白くないなあ。訳が良くないのか?中公のほうが好きだなあ。ところで、ちくま学芸文庫で『テアイテトス』が新刊であった。これは面…

小林秀雄を買い続ける

◆毛利嘉孝『文化=政治』月曜社ASIN:4901477080 ◆小林秀雄『小林秀雄全作品18』新潮社ASIN:4106435586

村上龍の傑作と言える

◆村上龍『コインロッカー・ベイビーズ』講談社文庫ASIN:4061831585 ひさびさに参りました、という小説。これは、たしかに村上龍の小説の中でも一、二を争うぐらいの傑作だろう。ちょっと真面目に研究対象にしたいぐらいだ。 まず、感じたのは『限りなく…』や…

報道の困難

そういえば、今日のニュースで、例の神戸児童殺人事件の加害者の少年が仮退院したという。毎日新聞をみると、このニュースをどう報道するか専門家に意見を求めたことが書かれてあって、依然として事件の難しさが残っていることを感じる。 http://www.mainich…

暖かくなった

先週の寒さが嘘のように、きょうは陽気な一日。ようやく寒さの峠を越したようだ。このまま暖かくなってくれれば勉強もしやすくなって非常に助かるのだけど。もう一度寒の戻りがあるのかなあ? 昨日の頭痛のせいか、ちょっと眩暈がしていて、今日は映画を見に…

保存用の本と読書用の本

◆中村光夫『谷崎潤一郎論』新潮文庫 ◆フーコー『監獄の誕生』新潮社 ◆渋澤龍彦『黒魔術の手帖』文春文庫 ◆プラトン『ソクラテスの弁明・クリトン』岩波文庫 『谷崎潤一郎論』と『監獄の誕生』は古本で購入。この『監獄の誕生』と『狂気の歴史』『言葉と物』…

ダウン

夕方になって、久しぶりに激しい頭痛→ダウン。薬を飲んで、少し回復。子供のころから頭痛持ちで、少々の痛みは慣れているが、今日はちょっとひどかった。 村上龍『コインロッカー・ベイビーズ』を読み始める。昔、読み始めたけれど、すぐに読むのを止めてい…

『アカルイミライ』

◆『アカルイミライ』2002年/日本/115分 監督:黒沢清 約一年前に見た映画。たまたま近くの映画館で上映されるというので、もう一度見に行った。好きな映画は何度でも見たい。 感想というか、気付いたことのメモ。 この映画では登場人物が歩いているシーン…

杜撰さが目につく小説

◆清涼院流水『コズミック』講談社 なんとか最後まで読み通したけれど…。最後まで読むと、なんかがっかりする。解決篇を読んで脱力感を味わった。このために、こんな分厚い小説を読んできたのかと。 思えば、無駄の多い小説だった。原稿用紙にして1400枚ほど…

うらやましい

アニメのプロ、東大が養成 講師陣にジブリの鈴木氏ら ああ、うらやましい。こういう講座をさくさくっと準備してしまうあたり、東大は良いなあと。偏差値が高いから東大が良い、というのではない。こういうところで、他の大学と差ができるんだよなあ。やっぱ…

日に日に寒くなっていく3月

3月になってから、日々寒さが厳しくなっている。今日も気温が上がらず、時折雪が降るような天気。おそらく今年になって、一番の寒さなのではないか、と感じるのだけど、天気予報のページで気温の変化を見るとそれほど下がっていないので疑問を感じる。発表さ…

苦手な宮崎アニメ

◆稲葉振一郎『ナウシカ解読』窓社 ナウシカのアニメにしろマンガにせよ、いずれも実は見たことも読んだこともない。どうも宮崎アニメは苦手なのだ。宮崎作品はいくつか見たことはあるけれど、すごく衝撃を受けたという経験はない。面白いなあとは思ったけれ…

すばらしい書評

◆中条省平『名刀中条スパパパパン!!!』春風社 ◆保坂和志『<私>という演算』中公文庫 やっぱり、中条省平の書評は面白いし役に立つ。この本を読んで、読んでみたくなった作家や作品がたくさんある。小説のあるいは映画のどこに魅力があるのか、それを語…

<私>と視線の運動

◆保坂和志『<私>という演算』中公文庫 保坂和志といえば、今年からはじまった雑誌『新潮』での「小説をめぐって」という連載が面白い。ここでもやはり「私と世界の関係」を思考している。3月号では「視線」の問題を論じていて、映像の問題と絡んで興味深い…

『イン・ディス・ワールド』

◆『イン・ディス・ワールド』2002年/イギリス/89分 監督:マイケル・ウィンターボトム 今年はじめて映画を見に行く。マイケル・ウィンターボトムの『イン・ディス・ワールド』。ウィンターボトムは好きな監督の一人。以前、『バタフライ・キス』で打ちのめ…

「正しい」だけ

◆阿部潔『彷徨えるナショナリズム』世界思想社 よくあるナショナリズム批判、オリエンタリズム批判の本。というか、はっきりいって批判ばかり。90年代の日本に見られる「ナショナリズム」「ナショナルなようなもの」への批判は、正しいのだけど、それを取り…

すべてが面倒だ

昨日の夕方、留学生と食事。調子にのって食べ過ぎ、そして飲み過ぎ。家に帰ってきてから、気持ち悪くなってダウン。今日の朝までしんどかった。 それから、気を取り直して学校へ。2、3日、研究室に顔を出さなかったら、いろいろ問題が起きていて、面倒なこ…