近現代文学研究での必読書

小森陽一『<ゆらぎ>の日本文学』日本放送出版協会
小森氏の著作では、『構造としての語り』、『文体としての物語』の2冊が双璧をなす代表作だと思う。あと『出来事としての読むこと』も付け加えても良い。この「として」シリーズは、今や近現代文学では必読書だろう。で、この『<ゆらぎ>の日本文学』を読めば、かなりの知識と理論が得られると思う。
小森氏の文学研究方面の著作(特に初期)は、今でも繰り返し読んで得るところが多いのだけど、いかんせんちょっと歴史や、政治方面の論文になると、途端に小森氏の魅力が無くなるのはなぜか?(『現代思想』の教育特集に載っていた論文も「???」だった)。最近の著作はきちんと目を通してはいないけれど、読もうという気もなかなか起らない。
とはいえ、井上ひさしと組んだ『座談会昭和文学史』は読みたい。これは、全6巻なので全部は買えないが、必要な巻だけでも買っておきたいと思う。