戦後を考える

◆『文学 特集=編成の力学 五〇年代を読む』2004年11、12月号(第五巻第六号)
「文学」のみならず、映画なども視野に入れた論文があったので買ってみた。「幽霊と珍獣のスペクタクル」なんて、変わったタイトルの論文に興味を持ったが、読んでみると普通の安部公房論だった。でも、カフカ安部公房ではなく、マーク・トウェイン安部公房というラインを示唆している点は重要。
「50年代映画と石原慎太郎」は、ちょっと分かりやすすぎる石原慎太郎批判か。しょせん、障子紙しか破ることができない陰茎=男性性しか持ち得ないという批判は、その通りだと思う。