悩む

今、人文系で最強のタームは「他者」と「多様性」だと思う。この二語を肯定的に使えば、それらしき論文が書けてしまう。哲学者は「他者」概念に萌え萌えだと、たしか年末の『図書新聞』で古賀徹氏が書いていた*1けれど、その通りなのだ。
この二語を手にすると、なんだか自分が賢くなった気がするし、一方でこの二語を突き出されると、がくがくと足が震え、何も言えなくなってしまう。
しかし、それで良いのかと悩む。この二語を否定することができるのかと言ったら、事はそう簡単ではない。まったく解決策が思い浮かばない。