2006-02-06から1日間の記事一覧

悩む

今、人文系で最強のタームは「他者」と「多様性」だと思う。この二語を肯定的に使えば、それらしき論文が書けてしまう。哲学者は「他者」概念に萌え萌えだと、たしか年末の『図書新聞』で古賀徹氏が書いていた*1けれど、その通りなのだ。 この二語を手にする…

古川日出男『二〇〇二年のスロウ・ボート』

◆古川日出男『二〇〇二年のスロウ・ボート』文春文庫、2006年1月 古川日出男の作品を読むのは2度目だ。以前、『LOVE』を読んでみたが、正直な感想として、それは面白くなかった。私には古川日出男作品が合わないのかもしれない。 しかし、一度で諦めるのも悔…