見直した

◆『21世紀の現実』ミネルヴァ書房
スピヴァク『ある学問の死』みすず書房
柄谷行人『定本柄谷行人集4 ネーションと美学』岩波書店
ヘーゲル『法の哲学』(Ⅰ)(Ⅱ)中公クラシックス
また、たくさん本を買ってしまった。ここのところ、気になる本、欲しい本がたくさん出ていて、非常に困った状況にある。今は、買わずにグッと我慢をするか?僅かな貯金を切り崩して買ってしまうか?毎日、頭を悩ます日々。
『21世紀の現実』を見て、宮台氏を見直す。ただ、自分の仕事ばかりやっている人ではなく、きちんと自分のゼミにも責任を持っている人なのだ、と。自分の学生のためにも、まず教授が率先して本を書く。それが業績となって、こうした学生の論文集も作れるようになるのだろうなあ。研究活動のために、発表する場が欲しい学生としては、とても有り難い教授だと思う。
スピヴァクの本、サブタイトルは「惑星思考の比較文学へ」とある。とうとうグローバルを超えて、惑星へ行ってしまったのか…と、少し遠い目をしたり。
私は、たまたま現在比較文学を専攻しているのだが、自分のなかでは日本近代文学が専門だと考えている。で、比較文学というディシプリンは、それこそ「学問の死」ではないが、いずれ消えるだろうと考えている。私個人としては比較文学というディシプリンが非常に好きだ。だけど、この学問が生き残って欲しいとは全然思わない。それどころか、最近では積極的に、この学問は消滅したほうがよい/してほしいとさえ願っている。少なくとも現状のままであるならば。
というのも、現在の比較文学は、単なる業績かせぎの研究分野でしかないからだ。比較文学は、20世紀ならともかく、どうも21世紀の学問ではないと思うし、さらにこの学問は、文学研究の足かせどころか有害でさえあると時々思うからだ。こんな学問をやっていては「ダメだ」といつも自分に言い聞かせている。いつかは、この学問から出て行かねばと。なので、スピヴァクがこの本のなかで、比較文学をどういうふうにしていこうと考えているのか、すごく気になる。