よしなし事

今月は、日本語研究室の文化祭が行われていて、きょうは華道についての講演会があった。学生に誘われたので、ちょっと聞きに行ってみた。文化大使として日本から来て、中国で華道を教えている方が講師として、華道の歴史や中国の華道についてのお話をしたり、実演をなさったりと、けっこうおもしろかった。現代の生け花はなんでもあり、それこそサブカルも取り入れているようで、ああ、これはポストモダンなんだなあと思った。
ところで、最近『言語の脳科学』というわりと評判になった新書を読んでいるのだけど、これがかなりいい。チョムスキーを下敷きにした研究で、言語を自然科学のように分析しようというところは、私にとって非常に新鮮な観点だ。まだ、途中までしか読んでいないし、肝心のチョムスキーの言語論についてはまったく知識がないが、この本で取り上げられているチョムスキーの言語の「生得説」に興味を持った。
というのも、この「生得説」はデリダの「グラマトロジー」に通じていると思うからだ。デリダが「原エクリチュール」と呼んでいるものが、チョムスキーの「生得説」と関連しているのだろうと。だから、脳科学によってその「原エクリチュール」がどういうものなのかわかれば、どうして人は言語を操ることができるようになったのかが判明するのだろう。もしかしたら、チョムスキーデリダの関係など、とっくの昔に語られているかもしれないが、それならそれで、それらを参照して勉強したいものだ。