宮本孝二『ギデンズの社会理論』

◆宮本孝二『ギデンズの社会理論――その全体像と可能性』八千代出版、1998年3月
ギデンズの理論の入門書かなと予想して読み始めてみたが、そうではなかった。なので、ギデンズについてほとんど知らない私には、はじめうちは少々難しい本だったが、読み進めていくにつれて、著者の考えが分かってきてなかなか面白い本だった。
本書における著者のねらいはこうだ。ギデンズには社会現象の分析として構造化理論があり、この理論の中心概念はパワー概念である。パワー概念を中心概念として、ギデンズの社会理論を統一像を示そうということだろう。ここで、パワーとは行為能力、変革能力であると説明されていた。
専門的な議論になっているので、私にはまだ理解できていないことが多いが、とりあえずギデンズの理論に興味が出てくる。昔『親密性の変容』を読んだことがあったが、全然理解できなくて、それ以来ギデンズへの興味・関心が薄れていたのだが、もう一度本書を参考に『親密性の変容』を読み直してみようかなと思う。

ギデンズの社会理論―その全体像と可能性

ギデンズの社会理論―その全体像と可能性