丸暗記は必要だと思う

丸暗記はだめ−いまどきの小学校から - livedoor ニュース

最近のことである。妻が担任の先生と面談をした。妻が先生から聞いた話では、教員は丸暗記を指導してはいけないと指示されているそうである。そう言われて教科書を見ると、憶えるべき項目が見当たらない。

驚いた。丸暗記はダメなのか。たしかに、丸暗記だけの学習はこれまで批判され続けてきたから、こういう事態になったのだろう。一見すると、自分で考えることを身につけさせるということで、非常によいことだと思える。
でも、腑に落ちない。年を取ってから気が付く、人生ってほとんどは丸暗記で90パーセントは大丈夫だということに。今は丸暗記という苦痛で無意味な作業に耐えられなかった自分の弱さに後悔したりしている。丸暗記という作業に耐える精神力を身につけさせることも、教育には必要なのではないか。なにしろ丸暗記が可能な時期なんて、せいぜい10代までだろう。年を取ると理屈っぽくなるので、どうしても丸暗記が難しくなる。子供の頃、丸暗記していたことが、大人になってふと思い出して役立ったりすることもある。また、こんなことを暗記していたのかと苦笑することも良い思い出になるではないか。
それに覚えていることが少ないと、自分で考えることもうまくできない(と私は経験上感じる)。0から何かを発想できるのは一部の天才だけだろう。たいていは、既存の知識をヒントに考えるのではないだろうか。
人類の叡知はありがたく頂いた方が良い。すでに分かっていること、知られていることは暗記しておけばいいではないか。自分で考えるなんてことは、年をとってからもいくらでも身につけることができる。歴史の年表をひたすら暗記したり、英単語を暗記したり、こういう知識を覚えるという経験も必要なのだ。別に、覚えることは何でも良いのだ。それこそ、全国の鉄道の駅名でも暗記したりでもいいじゃないか。覚える技術を身につけることも、生きる上で重要だと思う。覚えることと考えることは、どちらも必要なのだ。