小田中直樹『ライブ・経済学の歴史』

小田中直樹『ライブ・経済学の歴史―<経済学の見取り図>をつくろう』勁草書房、2003年10月
経済学史であると同時に、この本もまた経済学の素人に向けた経済学入門の本となっている。とても親切な本。本書では、経済学の主要なテーマとして「分配」「再生産と価値」「生存」「政府」「効用」「企業」「失業」を取り上げ解説していく。これらのテーマに対して、経済学者がいかに思考してきたのか。
私は文字通り経済学の素人で、経済関係のニュースにも関心がなく生きてきたので、これまで経済学がいったい何を考えてきたのか知らなかった。この本で、なんとなく経済学のイメージが、それこそ見取り図がぼんやりと見えてきた。
さらに、ここが私にとって重要なのだが、要するに経済学もまた「人間」とは何かを探究する学問であると感じた。つまり、経済学もまた人間学なのだ。そうなると、私のような文学を学ぶ人間にとっても、経済学はけっして縁がない学問ではないのだ。むしろ、積極的に学ぶ必要があるのではないかと思う。

ライブ・経済学の歴史―“経済学の見取り図”をつくろう

ライブ・経済学の歴史―“経済学の見取り図”をつくろう