野矢茂樹『入門!論理学』

野矢茂樹『入門!論理学』中公新書、2006年9月
野矢氏には、『論理学』とか『論理トレーニング』など論理学についての名著があるが、本書でもまた期待を裏切らず、非常に面白くかつ内容も深い。
本書は縦書きで書かれた論理学の本である。ということは、記号が出てこない。論理学といえば「記号」というイメージがあって、記号と式のオンパレードの本だと読んでもなかなか理解できない。それが論理学を敬遠してしまう理由であった。
そんな記号アレルギーでも、本書なら最後まで読み通せた。専門用語もかみ砕いて説明しており理解しやすい。それでいて論理学というのがどういう学問で、何を目指しているのかといったことまで語っている。
わかりやすく書く、しかし内容のレベルは落とさない。この二つの困難さに挑戦している本書は、入門書の鑑だと思う。

入門!論理学 (中公新書)

入門!論理学 (中公新書)