夢から覚めた後に

博士課程修了および中退者が、アカポス以外の道に進む際に、それを支援する組織があると良いのになあと最近考えている。こんなことを言うと、世間からは「自己責任だ」「甘えるな」とか言われそうだけど。しかし、博士課程を数年過ごした人が何らかの事情で進路を変えなければならなくなったときに、別の道に進むのがかなり困難なのが実状である。理系とちがって、文系は民間に研究所があるわけでもないので、文系の博士卒(中退者)はとりわけ厳しい。だから、すき間産業ではないが、こうした悩める人を支援する組織があってもよさそうなのにと思う。
どうも、民間の就職・転職サイトでも、もちろんハローワークを中心としたところでも、こうした人たちの対応には弱いのではないかと感じている。というのも、就職斡旋に従事する人の多くは、大学院の博士課程の事情に疎いのではないか。これからは、第2新卒既卒、のほかに博士卒のようなカテゴリーがあってもいいのではないか。特に、文系博士卒(中退者)でも積極採用しますという企業とのマッチングをスムーズに行う支援組織があると、助かる人がいると思う(そんな企業が実際に存在するのかどうかを調べるだけでも、支援組織があってほしい)。
しかし、あまりにも対象となる人数が少ないから、ビジネスにはなりそうもないのが大きな問題だ。だからといって、税金でやるのも世間が許しそうもないし。そうするとボランティア組織しかないのかなあ。(先駆的なところでは、「博士の生き方」というサイトがあるが。)
労働問題の研究者で、博士卒(中退者)の就職問題を研究している人はいないのだろうか。たとえば、労働政策研究・研修機構では、こういう問題の調査・研究をしていないのだろうか。こういう問題に取り組んでいるとか、興味・関心がある人のアドバイスが聞きたい。博士卒(中退者)には職歴が無くても知恵がある。その知恵を活かせるように、情報交換できるネットワークがあればいいのになあ。