マーティン・スコセッシ『ボブ・ディラン:ノー・ディレクション・ホーム』

◆『ボブ・ディラン:ノー・ディレクション・ホーム』監督:マーティン・スコセッシ/2005年/アメリカ/210分/デジタル・ハイビジョン
マーティン・スコセッシが撮ったドキュメンタリー。ボブ・ディランのインタビューや、関係者のインタビューと60年代の映像で構成されている。私は、音楽に関してはまったく知識がないので、ボブ・ディランは名前しか知らなかったが、この映画を見て、ボブ・ディランが60年代のアメリカにとって重要な人物であったことがよく分かった。
それにしても、60年代は良いなと思う。一言で言うなら「熱い」。政治の季節というか、若者の抵抗の時代というか、とにかく熱い。「社会」を変えることができるかもしれないという希望があるのだ。この希望を持っていた当時の若者を中心とした人々に、憧憬のまなざしを向けてしまう。彼らにとって、「社会」は手応えがあるものだったのではないか。