人間性って何なのだろう?

今、必死に就職活動している。早く仕事にありつきたいからだ。その際、就職サイトを利用している。使ってみると、これがけっこう便利だったりする。とはいえ、さっぱり成果があがらない。応募しても、翌日には「残念ながら貴意に添えません」という例のテンプレメールが届く日々。活動を始めた当初は、このテンプレが届くたびに、存在価値を否定されたような気分に陥ってかなりショックを受けていたが、最近は落ちるのが当然と思っているので、あまりショックは受けなくなった。こんなことに慣れてしまって良いのだろうかと疑問に思うけれど。
しかし、就職活動をやってみるといろいろと考えることがあって、苦しいけれどおもしろい。これまで未知であった世界の仕組みが見えてくると言ったら、ややオーバーかもしれないが、そんな印象がある。
たとえば、就職サイトを使って、求人情報を見ているが、たいていの会社は、「人間性を重視します」とか「コミュニケーション能力を求めます」とある。しかし、実際に応募してみると自動返信メール(のようなもの?)で、しかも先のようなテンプレメールが届いたりするわけで、その対応には、まったく人間味を感じさせないのだ。自動返信メールが企業の考える「コミュニケーション能力」なのかなとも思う。「人間性」を重視する会社が、徹底して「人間性」を排除しているという点に興味が引かれる。こういうアイロニーにグッときてしまう。別に「人間性」重視を謳っている会社が嘘をついているというわけではない。おそらく別のところで、「人間性」を発揮しているのかもしれない。こういう面を見てくると、世の中の仕組みに興味がでてくる。やはり机上の理論よりも、ざらざらとした現実のほうが、はるかにおもしろい。その意味で、今読書中の清水義範『スラスラ書ける!ビジネス文書』(ISBN:4061498347)は非常に参考になる。たとえば、企業の求める「人間性」とは、いったい何なのだろうと考えてみたくなるのだ。