マルセル・プルースト『失われた時を求めて 1』

マルセル・プルースト(鈴木道彦訳)『失われた時を求めて 1 第一篇スワン家の方へⅠ』集英社文庫、2006年3月
鈴木道彦訳の『失われた時を求めて』がとうとう文庫に入った。私のなかでは、大事件だ。井上訳がちくま文庫であったが、まさか鈴木道彦訳まで手軽に文庫で読めるようになるとは思ってもいなかった。待っていた甲斐があったというものである。
この第一巻は充実した作りになっていて、というのもここには各巻のあらすじや登場人物の紹介がついているので、今後読み進めていく際には常にそばに置いておきたいものである。
さて、『失われた時を求めて』は、何度か読みかけては挫折しているおり、特にこの第一巻はもう何度も読んでいるような気がする。語り手の私が、神経質な子どもで、ママのキスがないと寝られないとパニックに陥る場面など、よく覚えている。もちろん、紅茶に浸したマドレーヌを口にした瞬間に、コンブレーの記憶が甦る場面もあまりにも有名だが、何度も読んでも感動的な場面だと思う。
ともかく、今度こそ、全巻読み通そうと固く決意する。

失われた時を求めて 1 第一篇 スワン家の方へ 1 (集英社文庫)

失われた時を求めて 1 第一篇 スワン家の方へ 1 (集英社文庫)