◆『女の坂』監督：吉村公三郎／松竹／107分／カラー／シネスコ
主演は岡田茉莉子。岡田茉莉子のファンなので、この映画は見逃せなかった。この映画での岡田茉莉子は、『夜の河』の山本富士子と同じような役。京都の老舗の和菓子屋に跡取りとしてやってきた岡田茉莉子が、次第に和菓子作りに魅力を感じ始め、一生懸命に仕事に取り組む。その一方で、画家の役の佐田啓二と出会い、二人は愛し合うようになる。しかし、佐田啓二には妻も子どもがいるし、さらに衝撃的だったのはかつて佐田啓二は、岡田茉莉子の母（乙羽信子）とも関係があったのだった。
結婚を望んだ岡田茉莉子は、東京に住む妻のところに向うが、そこで子どもの服が干してあるのを見て、家族を壊してしまうことになることを恐れる。その結果、佐田啓二と別れることを決意し、和菓子の仕事に精を出すことになる――。
岡田茉莉子のすがすがしい姿が印象的な映画である。
