ジョエル・シュマッカー『オペラ座の怪人』

◆『オペラ座の怪人』監督:ジョエル・シュマッカー/2004年/アメリカ/143分
期待はずれ。かなりがっかりした。クリスティーンは、ともかく、相手の男二人、つまりパトロンで恋人のラウルとタイトルにもなっている文字通り中心人物である「オペラ座の怪人」の男がともに魅力がない。とりわけ、ラウルの平凡さには失望する。なので、どうしてクリスティーンは、こんな平凡な男と結ばれなくてはならないのか理由が分からない。「金か?」としか思えない。
またオペラ座の怪人もイマイチだ。悪の美学というものがない。ただの悪者じゃないか!これは酷い。
要するに、これは悪者の「怪人」から美女を救出するという、ハリウッド映画によく見られる、ただの冒険活劇映画であって、この映画は断じてミュージカル映画ではないのだ。私の失望は、ミュージカル映画だと期待してみたのに、肝心のミュージカルの部分がまったく魅力がなかったという点にあるのだ。