2005-10-24から1日間の記事一覧

三島由紀夫『三島由紀夫未発表書簡』

◆三島由紀夫『三島由紀夫未発表書簡』中公文庫、2001年3月 ドナルド・キーンへの書簡97編を収めた本。昭和31年から死の直前の手紙まである。これらの書簡から、いかに三島がドナルド・キーンを信頼していたのかが理解できる。文学研究者としても翻訳者として…

三島由紀夫『中世・剣』

◆三島由紀夫『中世・剣』講談社文芸文庫、1998年3月 三島の二十代に書かれた作品が主に収められている。収録作品は、「中世」(昭和21年)、「夜の支度」(昭和22年)、「家族合せ」(昭和23年)、「宝石売買」(昭和23年)、「孝経」(昭和24年)、「剣」(…

成瀬巳喜男『三十三間堂通し矢物語』

◆『三十三間堂通し矢物語』監督:成瀬巳喜男/1945年/東宝/77分 これが作られたのは1945年の敗戦間近の時。こちらは、表面上は戦争の影など見当たらない。成瀬のはじめての時代劇で、京都の三十三間堂の通し矢に名誉と命を懸けた二人の男の物語。長谷川一…

成瀬巳喜男『まごゝろ』

◆『まごゝろ』監督:成瀬巳喜男/1939年/東宝/67分 これは戦争の影が色濃い作品。原作は石坂洋次郎。母とおばあさんと暮している少女が主人公。少女の友人の父親と、自分の母親が昔関係があったことを知ったり、亡くなった自分の父親のことを母やおばあさ…

成瀬巳喜男『女人哀愁』

◆『女人哀愁』監督:成瀬巳喜男/1937年/PCL=入江プロ/74分 やはり成瀬はすばらしい。吉村公三郎も女性映画を撮るのがうまいが、私は成瀬が撮る女性映画のほうが良いと思う。 この映画の素晴らしいのは、見合い結婚した女性(入江たか子)が、その家でま…