2004-11-27から1日間の記事一覧

小津映画の俳優たち

小津の映画には、おなじみの俳優がいる。たとえば有名なところでは、笠智衆とか原節子だろうか。佐分利信もそうだし、三宅邦子も忘れてはいけない。それから中村伸郎と北竜二の二人も味がある。中村伸郎は、『東京物語』では、杉村春子のちょっと頼りのない…

三島由紀夫『音楽』

◆三島由紀夫『音楽』新潮文庫、1970年2月 三島の精神分析嫌いは有名だが、この小説はその精神分析を題材にしたものだ。解説のなかで、澁澤龍彦がこの小説を「推理小説のごときサスペンス」を持たせて書かれてあると指摘しているが、これはその通りだと思う。…

蓮實重彦『シネマの記憶装置』

◆蓮實重彦『シネマの記憶装置』フィルムアート社、1997年3月(新装版) この本も昔読んだことがある。第Ⅰ章の「シネマの記憶装置」という文章がすごい。まさに蓮實的文章といえるもので、約50ページほど切れ目なく続く文章がある。これはけっこう読むのが大変…

小津安二郎『秋刀魚の味』

◆『秋刀魚の味』監督:小津安二郎/1962年/松竹大船/カラー/112分 夏に見て以来、2度目の鑑賞。この映画もかなり好きだ。前にも書いたかもしれないけど、『秋刀魚の味』は非常にテンポがよい。というか、物語の後半は、かなりスピーディーに物語が展開し…