内田樹『子どもは判ってくれない』
◆内田樹『子どもは判ってくれない』文春文庫、2006年6月
短い文章からやや長めの文章の時評的エッセイを集めた本だ。本書の基本的なテーマは、「対話」とはいかなるものかということだろう。「対話」の目標としては、自分の言葉を相手に届けることが重要なのだ。これは、「正しい」ことを語ることよりも、もっと重要だ。「正しい」言葉でも、必ずしも相手に届くとは限らない。相手に届かない言葉には、何の効果もない。何の効果もない言葉は、相手から責め立てられることもないので、発言者としては楽といえば楽だが、はたしてそれでいいのか。「対話」を成り立たせる作法について、いろいろと考えることが多い。
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/06/01
- メディア: 文庫
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