小谷野敦『恋愛の昭和史』

小谷野敦『恋愛の昭和史』文藝春秋、2005年3月
私は『<男の恋>の文学史』を何度も読んでいたので、その続編といえる本書も非常に興味深いものだった。この本は主軸はもちろん「恋愛」研究なのだけど、その一方で大衆文学論・大衆文化論として読むこともできるのかなと思う。本書には、索引が付いているが、作品名の索引を見ると、かなりの数の作品が挙げられている。しかも、現在ではあまり読まれていない作品、書店でも見かけない作品が論じられているので、ある時期にどんな作品が読まれていたのかを知ることが出来る。「恋愛」というテーマに限られているけれど、昭和の大衆文学史として参考になるだろう。

恋愛の昭和史

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