ナンシー関『天地無用 テレビ消灯時間6』

ナンシー関『天地無用 テレビ消灯時間6』文春文庫、2004年9月
やっぱり面白い。このテレビ批評が注目されるのも、なんとなく分かるような気がする。批評が的を射ているとか、曲解しているとかの以前に、端的に読んで面白い文章なのだ。少なくとも、私には魅力的な文章であることは間違いない。
論じる対象であるテレビに対する突き放した感じもさることながら、テレビを見ている自分あるいは文章を書いている自分への距離の取り方が興味深い。自分自身を冷静に見つめている「自分」というものを、この文章の中に感じるのだ。こういう文章は、簡単そうでなかなか書けないなと思う。

天地無用 テレビ消灯時間6 (文春文庫)

天地無用 テレビ消灯時間6 (文春文庫)