2005-09-03から1日間の記事一覧

成瀬巳喜男『はたらく一家』

◆『はたらく一家』監督:成瀬巳喜男/1939年/東宝/65分 原作はプロレタリア作家の徳永直。貧しい一家を描いているのだが、プロレタリア風の作品だなとは思わなかった。この映画も、ラストシーンが良かった。 家族が多くて、父の収入が少なく、子供たちは小…

成瀬巳喜男『歌行燈』

◆『歌行燈』監督:成瀬巳喜男/1943年/東宝/94分 原作は泉鏡花。『鶴八鶴次郎』では、三味線の名人を山田五十鈴が演じていたのだが、この作品では、山田五十鈴は三味線もなにも出来ない芸者を演じている。何もできない芸者に能の舞を教えるのが花柳章太郎…

成瀬巳喜男『鶴八鶴次郎』

◆『鶴八鶴次郎』監督:成瀬巳喜男/1938年/東宝/89分 山田五十鈴の東宝入社第一作であるという。若い頃の山田五十鈴はかなり良い。長谷川一夫を互いに深く愛しているにもかかわらず、激しく反発してしまい、ついに結ばれることなく別れてしまう新内語りの…

ロラン・バルト『エクリチュールの零度』

◆ロラン・バルト(森本和夫・林好雄訳)『エクリチュールの零度』ちくま学芸文庫、1999年10月 久しぶりに読んでみた。冒頭部分が面白い。 エベールという人がいるのだが、彼は『ペール・デュシェーヌ』紙のどの号でも、「なんてこった」とか「こんちきしょう…