成瀬巳喜男『鶴八鶴次郎』

◆『鶴八鶴次郎』監督:成瀬巳喜男/1938年/東宝/89分
山田五十鈴東宝入社第一作であるという。若い頃の山田五十鈴はかなり良い。長谷川一夫を互いに深く愛しているにもかかわらず、激しく反発してしまい、ついに結ばれることなく別れてしまう新内語りの役を演じている。
二人の反発の反復が、物語を展開させていくのだが、最後の二人の喧嘩が実は鶴次郎(長谷川一夫)の芝居であったことが明らかにされるラストシーンが良かった。惹かれ合うことと反発しあうことという、絶対に相容れない正反対のベクトルが同居してしまう。これがメロドラマなのだろう。