立岩真也『希望について』
◆立岩真也『希望について』青土社、2006年7月
ここ数年に書かれた、比較的短い文章を集めた本。テーマは多岐にわたる。たとえば、国家、政治、境界、労働、所有、社会(学)など。どの文章も興味深く読んだ。特に、労働の分配について論じている「労働の分配が正解な理由」と、構築主義や本質主義、(脱)構築、社会学などについて考える「社会的――言葉の誤用について」が面白い。後者など読むと、物事を考えるのはそう単純なことではないことが分かる。
労働の分配すなわちワークシェアリング的なアイデアはどうなのだろう。経済学からのつっこみがありそうな気がする。しかし、立岩氏の分配の考え方は非常に納得できるのだが。
お金を分けるか、仕事を分けるか、あるいはお金と仕事を分けるか。何をどう分配するか。あるいは、どういう条件なら、人は他人に仕事やお金を分けることができるのだろう。
- 作者: 立岩真也
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2006/06/01
- メディア: 単行本
- クリック: 7回
- この商品を含むブログ (34件) を見る