立岩真也『希望について』

立岩真也『希望について』青土社、2006年7月
ここ数年に書かれた、比較的短い文章を集めた本。テーマは多岐にわたる。たとえば、国家、政治、境界、労働、所有、社会(学)など。どの文章も興味深く読んだ。特に、労働の分配について論じている「労働の分配が正解な理由」と、構築主義本質主義、(脱)構築、社会学などについて考える「社会的――言葉の誤用について」が面白い。後者など読むと、物事を考えるのはそう単純なことではないことが分かる。
労働の分配すなわちワークシェアリング的なアイデアはどうなのだろう。経済学からのつっこみがありそうな気がする。しかし、立岩氏の分配の考え方は非常に納得できるのだが。
お金を分けるか、仕事を分けるか、あるいはお金と仕事を分けるか。何をどう分配するか。あるいは、どういう条件なら、人は他人に仕事やお金を分けることができるのだろう。

希望について

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