トルーマン・カポーティ『冷血』

トルーマン・カポーティ(佐々田雅子訳)『冷血』新潮文庫、2006年7月
一家四人が惨殺されるという事件が起きる。その犯人の逃亡と捜査、そして裁判を経て、犯人たちが死刑になるまでを描いたノンフィクション・ノベル。ニュージャーナリズムの先駆けとも言われる作品。訳者のあとがきによると、「カポーティは『冷血』の執筆に先立ち、三年を費やしてノート六千ページにも及ぶ資料を収集し、さらに三年近くをかけてそれを整理」(p.620)したそうだ。そのために、かなり重厚な作品に仕上がっている。特に各登場人物の内面描写に重点が置かれていた。
読み終えてみると、すべてが終わったにもかかわらず、なんだかすっきりしなくて、もやもやとした重たいものが残る。

冷血 (新潮文庫)

冷血 (新潮文庫)