これも気になる
憲法の話からはズレてしまうが、私には大塚の次のような文章が気になって仕方がない。
もともと論壇や文壇は、サブカルチャーに手を出したり、若者文化におもねって、「そこに新しい論壇がある、そこに新しい文学がある」と戦後一貫してやってきたわけです。自戒を込めて言ってしまえば、ぼくにしろ、宮台真司にしろ、香山リカにしろ、いわばオシャレでクール(ま、ぼくがそうかはおいといて)な論壇を自己演出するために、外から呼ばれていった人間にすぎないという、忸怩たる事実があるわけですね。ただ、そういう八〇年代的な手口によって、つまり表面的な差異化によってことばを延命させていくことが、実はいかにことばを信じていないか、ということはいいかげん反省した方がいい。(p.204)
この文章、冗談じゃなくて本気で日本近代文学の研究者は考えた方がいい。文学研究者がアニメ、マンガの研究発表もするのもけっこうだ。だが、それをやれば何か新しい研究となると考えるのは、あまりにも脳天気だと思う。文学研究者は「文学」を信じていないのではないか!