2005-11-07から1日間の記事一覧

成瀬巳喜男『おかあさん』

◆『おかあさん』監督:成瀬巳喜男/1952年/新東宝/98分 この映画は傑作だ。田中絹代がおかあさん役で、その娘役を香川京子が演じている。この家族は、まず長男を病気で亡くし、つぎにクリーニング屋をしていた父親も病気で亡くなってしまう。おかあさんの…

成瀬巳喜男『放浪記』

◆『放浪記』監督:成瀬巳喜男/1962年/宝塚映画/117分 林芙美子原作。林芙美子の自伝的な作品だが、この林芙美子の役を高峰秀子が演じている。近眼で猫背の冴えない風貌の人物を、高峰秀子が演じていたのが面白い。貧乏で、子どものころから親子で放浪生活…

佐伯彰一『物語芸術論』

◆佐伯彰一『物語芸術論――谷崎・芥川・三島』中公文庫、1993年9月 もとは1979年に出た本。小説の「語り」に注目した評論。語り論としては、けっこう早い時期の評論だろうか。 副題の通り、本書で分析の対象となる作家は芥川と三島と谷崎の3人である。そのなか…