2005-08-13から1日間の記事一覧

成瀬巳喜男『夫婦』

◆『夫婦』監督:成瀬巳喜男/1953年/東宝/87分 この作品も『めし』と同じようなテーマの物語を扱っている。上原謙は、『めし』と同じような、仕事はできるが、家にいると何もしない夫を演じている。上原謙の顔は、どこか頼りなさげなので、寝取られ夫の役…

成瀬巳喜男『めし』

◆『めし』監督:成瀬巳喜男/1951年/東宝/97分 原作は林芙美子。出演は、原節子、上原謙など。きょうからシネ・ヌーヴォで成瀬巳喜男特集がはじまる。シネ・ヌーヴォは8周年を迎えて昨日リニューアルしたそうだ。座席シートが新しくなっていた。正直、今ま…

三島由紀夫『愛の渇き』

◆三島由紀夫『愛の渇き』新潮文庫、1988年8月 三島の小説は、読みやすいものが多いけど、この小説はやや読みにくかった。一つは、語り手が妙に小難しい言い回しをするためではないだろうか。語り手は、比喩を多用しているのだけど、その比喩がいまいちキレが…

「丹念」かつ「適確」に読むこと

しつこいと自分でも思うのだが、この前の仲俣のエントリー記事(8月11日)が、やや気になったので、それについて書いておきたい*1。 エントリーでは、8月10日の朝日新聞(夕刊)の記事(「戦後60年の透視図 第3部・物語空間」)のなかで「極西」が言及されていた…