イム・グォンテク『酔画仙』

◆『酔画仙』監督:イム・グォンテク/2002年/韓国/119分
カンヌ映画祭で監督賞を受賞しただけあって、すばらしい出来だった。19世紀末、朝鮮時代の末期に活躍した天才画家チャン・スンオプの人生を描いた作品である。この映画は、理想の絵を追い求める芸術家の物語でもあるし、唯一愛した女性を捜し続けた男の物語でもあるし、時代に翻弄される芸術家の運命の物語とも言え、見方によってさまざまな物語が読み取れるようにできている。
またスンオプを演じたチェ・ミンシク、そしてスンオプの才能をいち早く見いだし、絶えずスンオプを見守っていたキム・ビョンムンを演じるアン・ソンギが良かった。