犬童一心『メゾン・ド・ヒミコ』

◆『メゾン・ド・ヒミコ』監督:犬童一心/2005年/日本/131分
シリアスでありつつギャグも入れたりと、がんばっている作品だと思った。
ゲイのための老人ホームが舞台となる。この老人ホームの運営の中心人物であるヒミコ(田中泯)が末期の癌。ヒミコを愛している若い男(オダギリ・ジョー)が、ヒミコの娘(柴咲コウ)をこの老人ホームにバイトとして連れてくるところから物語は始まる。かつてヒミコは、ゲイであることを家族に打ち明け、そして娘と妻を捨てて家を出て行ったのであった。そのために、娘は父であるヒミコのことを憎んでいる。そのためか、この娘は終始しかめ面をしている。ほとんどブスッとした表情をしているのが特徴的なのだ。したがって、彼女が笑顔を見せるシーンはすごく貴重になる。たとえば、このホームに住んでいる人と一緒にコスプレをして、その後ダンスをする場面だとか。みんなでダンスをするこの場面は、この映画のなかで特にすばらしい。