ジョー・ライト『プライドと偏見』

◆『プライドと偏見』監督:ジョー・ライト/2005年/イギリス/127分
原作は、ジェイン・オースティン。小説のほうは読もうと思いつつ、まだ読んでいない。映画を見たことだし、小説もきちんと読んでおかなければ。
この映画は、なかなか面白かった。上流とは言えない一家には、5人の娘がいる。この時代、女性は結婚しないと生きていけない、決定的に不利になる。だから、特にこの家の母親は娘たちの結婚問題を真剣に心配している。この母親が、すごく面白い。品が無く、話し出すと止まらなくなるタイプで、要するに田舎のおばちゃんといったところ。ある意味、うっとうしい存在ではあるが、一方で憎めない愛すべきキャラクターでもある。少々肥った、丸々とした身体が、そのように感じさせるのだろう。
物語は、まさしくタイトル通りに「プライドと偏見」が主題となっていた。最大の目標である結婚の障害となったのが、結局は「プライド」だし「偏見」だった。特に「偏見」のもたらす誤解が、物語を展開する力となる。誤解をいかに克服して結婚に至るのか。